洗練された大人のための7つの短編、書下ろし
『スローなブギにしてくれ』からおよそ40年。
■デビュー40周年記念出版
片岡義男
短編を七つ、書いた順
刊行:2014年4月21日頃
判型:四六判(130×190)上製
総頁:200頁 予価:2000円
ISBN 978‐4‐86488‐047‐3 C0093
■収録作品
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せっかくですもの……父とおなじ会計士をめざして家をでることを決めた三十歳の理恵子が偶然ドトールで。
固茹で卵と短編小説……バーテンダーとバーの常連客、バーの外で交わされる会話。
花柄を脱がす……女の痕跡の残る花柄のシャツを被写体にカメラマンは写真集「ひどく遠い夏」を撮る。
なぜ抱いてくれなかったの……小説家の三輪紀彦は34年前に一度だけデートした美砂子と再会し。
エリザベス・リードを追憶する……洋食屋の帰りに路地奥でみつけた三軒の飲み屋すみれ、タンポポ、れんげ草にそれぞれ入ってみることにした花村と芹沢は。
ある編集部からの手紙……13年前に最後のホステス歌謡歌手としてデビューし消えた北原カレンを追って、加納は広島へ。
グラッパをかなりかけます……雨止みを待ってモレスキンの手帳に小説のためのメモをかきとめていた優子は。現実と小説内小説がしなやかに絡み合う。
「群像」に載った片岡義男「3つの短篇」を読むと、村上春樹の出現を準備したと言ってもよい片岡義男というこの独特な作家は、………(松浦寿輝「朝日新聞」文芸時評・14年2月26日付)
【「群像」掲載の短編は、講談社より『ミッキーは谷中で六時三十分』として5月下旬刊予定】