平田俊子 エッセイ集
低反発枕草子
四六上製256頁 本体予価2400円 ISBN978-4-86488-111-1 C0095
◆2016年12月下旬刊
●本文より
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アンチ・クリスマスのわたしは毎年十二月二十四日は一人で部屋にいてお茶漬けをすすっている。達観しているので寂しくない。といったら嘘になる。十二月二十三日とか二十六日は一人でお茶漬けでも平気なのに、二十四日だと切なくて胸がきゅうっと痛くなる。かようにクリスマスはからだに悪い。なくしてしまった方が皆の健康のためだ。
忘年会が二十四日にあると、救われた気分で出掛けていく。これはあくまで忘年会で、断じてクリスマス会ではな
いと自分にいい聞かせながら。お酒を飲んでアホなことを喋るという点では、どっちもおんなじなのだけど。
※「静岡新聞」週1回の連載をを再構成。
【著者紹介
】(ひらた としこ)
55年島根県生まれ。詩人、小説家、劇作家。著書多数。幻戯書房からは書き下ろしエッセイ『スバらしきバス』を刊行。
菊池英也自選短篇集
焚書野郎
四六上製 336頁 本体予価2000円 ISBN978-4-86488-112-8 C0093
◆2016年12月中旬刊
本を焼く男
眠り続ける女
父の日記を探る少年
放物線にこだわる少女
ロック史に殉じ愛を貫く女
この15年の文筆活動から精選した5つのオブセッション
●本文より
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「その本も、もちろん燃やしてくれるよね」
私の無責任な言葉に、彼は力強くこう答えた。
「私小説は嫌いです! 破滅型はさらに救いようがない!」
Books are Burning