本当に大切なのは、「見た目」や「伝え方」だけではない
西江雅之
ことばだけでは伝わらない
コミュニケーションの文化人類学
四六ソフトカバー 240頁 本体予価2200円 ISBN978-4-86488-128-9 C0095
2017年8月下旬刊行
「人間にとって“伝える”とは何か」を
7つのファクターでわかりやすく解説!
数十の言語をマスターした言語学者・文化人類学者にしてエッセイストの遺作
「伝える」とはそもそも、どういうことか。その本質を、よりざっくり、より深く捉えるために、言語(バーバル)と非言語(ノンバーバル)の対立を超えた「伝え合い」の概念を提唱する。日本を代表する文化人類学・言語学者が半世紀をかけ練り上げ遺した思考のエッセンス。「考える人」(2009~2011年)連載に著者本人が生前大幅に加筆修正。
●本文より
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最近では、ノンバーバル・コミュニケーション研究に基づくハウツー本なども少なくないが、(……)そこに添えられている写真は、ニューヨークのオフィス街を背景とした、白人のアメリカ人の写真であったりする。そうした解説には、その身体動作が実現される場の脈絡も不十分で、文化の違いも無視されている。そうしたものを、異なる文化の人が見ても、期待した効果は望めないだろう。(……)わたしが関心を持つのは、伝え合いのパフォーマンスの水準である。それを十分に捉えるための必須の要素として、「伝え合いの七要素」を挙げた。
●目次
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はじめに
第一章 「言語」とは「ことば」の標本である
第二章 「ことば」だけでは伝わらない
第三章 「伝え合い」をとらえる――コード・メディア・メッセージ
第四章 「伝え合い」における「制約」
第五章 「伝え合い」における「空間」
第六章 「伝え合い」における「時間」
第七章 「社会構造・社会組織」と「装い」
第八章 ことば通じて意味通ぜず
第九章 「伝え合い」を支える「文化コード」――「異なる」ということ
■著者紹介■(にしえ・まさゆき)1937年、東京生まれ。言語学者・文化人類学者。
主に東アフリカ、カリブ海域、インド洋諸島で言語と文化の研究に従事。ピジン・クレオル語研究のパイオニア的存在。エッセイストとしても知られ、多くの高校教科書に作品が採用されている。『花のある遠景』、『食べる』、『新「ことば」の課外授業』、『たけしの面白科学者図鑑』(ビートたけし他共著)、『サルの檻、ヒトの檻』(吉行淳之介共著)、『貴人のティータイム』(平野威馬雄共著)など著書多数。
2015年没。
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