色川武大
戦争育ちの放埓病【銀河叢書 15冊目】
四六上製 416頁 本体予価4200円
ISBN978-4-86488-129-6 C0395
9月下旬刊
阿佐田哲也の名でも知られる私小説作家が、折に触れて発表した珠玉の随筆86篇、待望の初書籍化!(すべて全集にも未収録)
「落伍しないだけでもめっけものだ」
●本文より
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戦後という言葉の正確な意味は知らないが、私にとっては、生きているかぎり、どこまでも戦後という実感がある。一度あったことは、どんなことをしても、終らないし、消えない、ということを私は戦争から教わった。
【著者紹介】(いろかわ・たけひろ)
29年、東京生まれ。敗戦後は焼跡を徘徊、博打で糊口をしのぐ。雑誌編集者を経て
55年より井上志摩夫などの筆名で娯楽小説を乱作。のち、中央公論新人賞、泉鏡花文学賞、直木賞、川端康成文学賞、読売文学賞を受賞。89年逝去。
円上行元
不易の恋 芭蕉庵・桃青
四六上製 160頁 本体予価1500円 ISBN978-4-86488-130-2C0093
9月下旬刊
傑作歴史小説 芭蕉唯一の恋、嫉妬
謎多き女性、寿貞との悲恋を軸に、「風狂」の道に賭けた松尾芭蕉が、真の俳諧師として「新生」し、永眠するまでを描く。
●本文より
●芭蕉はそれからの十年、一芸に心奪われた狂人の罪深さに心を留めてきた。その人間の宿業に比べたら、世間の人々が陥る罪業に、どれ
ほどの非があるだろう。……
【著者紹介】(えんじょう ゆきもと)昭和34年(1959)から昭和42年(1967)まで早稲田大学にて哲学と演劇を学ぶ。フリーライター、構成作家、古美術雑誌編集長を経て、編集プロダクションを設立。著書に『上海イリュージョン』(樹花舎)。日本作詩家協会会員、日本音楽著作家連合会員。