泉鏡花の本の装幀や挿絵、また資生堂の広告でも知られる小村雪岱の文業を集成
小村雪岱随筆集
真田幸治 編・解説
ISBN9784-86488-140-1 C0095
四六上製 予256頁 予価3500円
2018年1月下旬刊
没後、昭和18年(1943)に刊行された随筆集『日本橋檜物町』(30篇収録)に、新たに発掘された40篇を加え刊行。
大正から昭和初期にかけて活躍した装幀家、挿絵画家、舞台装置家の著者が書き留めていた、消えゆく江戸情緒の世界。
「私は絵にしたくなります美人は、前に申しました、初めてあつた人ではないように思はれる顔だちの美人であります。」
装幀家として世に送り出された恩を胸に、生涯敬慕し続けた泉鏡花のこと。
鏡花を中心とする「九九九会」の親しい仲間たちと歩んだ文壇のこと。
そして、装幀のこと、挿絵のこと、舞台装置のこと、画壇のこと。
十三代目守田勘弥に依頼された舞台装置の仕事をきっかけに、五代目中村歌右衛門、六代目尾上菊五郎らに注目され、歌舞伎の世界で確固たる地位を築いた小村雪岱。
舞台装置家の視点で記された、三人の役者を中心とする歌舞伎の世界も。