故郷・高千穂での父親の介護と葬送の記録。万物のいのちの声と向き合い生きるということ。
高山文彦
父を葬る(仮)
※既に書店様には『父を喪うということ』とご案内しておりますが変更しています。刊行までに、さらに変更になる可能性があります。
四六上製 256頁 本体予価1800円
◆本文より◆
私には父を喪う覚悟はできていたが、肝心の父の覚悟について、最後まで気がつかなかった。肉親の死にさいして、もっとも忘れてならないことは、その人がどうしたいと考えているのか、いつもいつも想像する力である。死にゆく人をつねに家族の中心において、その人がどうしたいのかだけを考える。これは現実には、たいへんむずかしい。そして自分には、それができなかったのだ。
新境地を切り開く書き下ろし