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ご購入に関するお問い合わせは、メールにて受け付けております。 メール:genki@genki-shobou.co.jp TEL03-5283-3934 幻戯書房刊行の書籍の詳細は小社ホームページをご覧ください。 幻戯書房 (げんきしょぼう)は 歌人で作家の辺見じゅんが、父であり、角川書店の創立者である角川源義の創業の精神を受け継ぎ、設立した出版社です。 ライフログ
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2023年 08月 14日
装幀は小沼宏之さん 〈ルリユール叢書〉第34回配本 (48冊目) ガブリエル・マルセル Gabriel Marcel 古川正樹=訳 稜線の路 Le Chemin de crête 予価:本体価格3,500円+税 予定ページ数:336頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-284-2 C0397 刊行予定:2023年9月下旬 人間に潜む根源的欺瞞を暴き出し、非現実を現実に変えてしまう秩序転倒の現代を告発し、在るべき世界秩序を啓示する――『形而上学日記』の哲学者・劇作家ガブリエル・マルセルの哲学思想を先導する〈筋書きの無い演劇〉にして、マルセル戯曲作品の頂点を極めた全四幕の悲劇。本邦初訳。 私たちから取り上げられた良きものは、単に私たちに不足しているものではないのです。それら良きものは、私たちの内に在るのです。ただ、裏返された影として、夜の状態にある荒れ果てた力として…… 他処と同様、哲学においても、本物だけが持続する。だからこそ、モンテーニュ、パスカル、メーヌ・ド・ビランのように、ガブリエル・マルセルが常に読者をもつことは保証されているのである。かれの作品においては、人間が直接に人間に語りかける。すなわち、かれは新たな友を自分につくることをけっしてやめないゆえに、かれの作品は常に読者をもつことだろう。 ――エティエンヌ・ジルソン あなたの演劇が、まさしく、健全化のはたらき、浄化のはたらきをなすのは、あなたの演劇が全然護教的でないからです。私が大変おどろかされるのは、『恩寵』、『砂の宮殿』のような戯曲、そして後には、『神の人』、『葬儀前の礼拝堂』、『偶像破壊者』のような戯曲において、悲劇は、人物たちの間で何も解決されていないところに成り立っている、ということです。 ――ポール・リクール この哲学者を、劇作家または音楽家としての彼から切り離すのは正しくない。そこには分離することのできない一つの全体としての有機体がある。かくの如きが、おそらく、強靭な永続すべき運命をもった思想の特徴なのだ。 ――ジャック・ド・ブルボン゠ビュセ ガブリエル・マルセルは、哲学者たらんと欲したのでもなく、音楽家たらんと欲したのでもなく、ただ自らに誠実に生きようとした人である。彼にあっては日々の生と省察の哲学が一つであった。「呼吸するように」哲学した人であった。 ――服部英二 【著者略歴】 ガブリエル・マルセル(Gabriel Marcel 1889–1973) フランスの哲学者・劇作家。パリに生まれる。6、7歳で劇作を試みた。十代半ばには音楽を、やがて哲学を志してソルボンヌ大学に入学。21歳で教授資格論文「シェリング哲学との関係におけるコールリッジの形而上学的諸理念」により合格した後、保養先の英国で交霊術にも深い関心を懐く。若年時からの知的・人間的素地、経験や関心に基づき、愛の問題を中心とする独創的な哲学的反省を展開しつづけた。カトリックとなるも教義とは無縁で傍観的な立場に留まった。 【訳者紹介】 古川正樹(ふるかわ・まさき) 1957年11月、鹿児島県に生まれる。鹿児島県立鶴丸高等学校卒業。仏語論文「メーヌ・ド・ビランにおける哲学と宗教」により、パリ゠ソルボンヌ大学哲学博士(成績mention très honorable)取得。鹿児島大学・早稲田大学講師等を務める。著書に、彫刻家高田博厚が大画家ジョルジュ・ルオーの軌跡に即して述べた深い人間思想を初めて本格的に論じた『形而上的アンティミスム序説――高田博厚による自己愛の存在論』(舷燈社、2009年)がある。 #
by genkishobou
| 2023-08-14 11:19
| 新刊情報
2023年 07月 14日
表表紙(表1:左)は小村雪岱、裏表紙(表4:右)は小村雪岱) 邦枝完二 著 小村雪岱 画 江戸役者 東京日日新聞夕刊連載版 真田幸治 編 四六判上製 288P ISBN978-4-86488-282-8 C0093 本体予価3,600円 「河原者たア誰を指した。江戸随一の團十郎だ。てめえの眼は節穴だな。」 邦枝がいざない、雪岱が開眼した江戸風情の世界。 八代目市川團十郎を軸に描く人間模様。 『おせん』に先立つ一年前の、記念碑的作品。 単行本初収録の挿絵70点を完全復刻。 2022年、京都で、『江戸役者』の挿絵原画が全揃で見つかった。雪岱再評価の機運が高まるなか、91年の時を経て、雪岱と邦枝が初めてコンビを組んだその新聞連載小説が、新漢字・新仮名遣いでよみがえる―― 「みんな手前への御贔屓が積り積って、ちっとでも余計に、成田屋を可愛がってやろうとの、有難い思し召しに相違ござんすまい。しかし團十郎は、どなた様お一人のものでもなく、この広い江戸においでなさる、皆様の團十郎でございます。」(本文より) 邦枝完二 くにえだ・かんじ 明治25年(1892)、東京市麴町区生まれ。慶應義塾予科に入学。永井荷風に私淑し、『三田文学』に小説などを発表した。時事新報社や帝国劇場文芸部を経て、作家として独立。新聞連載小説の「東洲斎写楽」(1928)、「歌麿」(1931)、「江戸役者」(1932)、「おせん」(1933)など、江戸情緒あるれる浮世絵的な作品で、作家としての地位を確立した。昭和31年(1956)歿 小村雪岱 こむら・せったい 明治20年(1887) 埼玉県川越町生まれ。明治41年(1908)、東京美術学校日本画科選科卒業。大正三年(1914)、泉鏡花『日本橋』の装幀でデビューし、以後、装幀家や舞台装置家、挿絵画家として活躍する。特に邦枝完二とコンビを組んだ髷物、昭和8年(1933)の「おせん」を筆頭に、「江戸役者」(1932)や「お伝地獄」(1934-35)、「喧嘩鳶」(1938-39)など、〈雪岱調〉の新聞連載小説の挿絵は現在も高く評価されている。昭和15年(1940)年歿。 真田幸治 さなだ・こうじ 昭和47年(1972)、神奈川県横浜市生まれ。平成8年(1996)、日本大学芸術学部美術学科卒業。装幀家。小村雪岱研究をライフワークとしている。雪岱や、雪岱が在籍していた資生堂意匠部、資生堂書体の論文を発表。編著に『小村雪岱随筆集』、『小村雪岱挿絵集』(いずれも幻戯書房、2018)。展覧会「複製芸術家 小村雪岱―装幀と挿絵に見る二つの精華」(日比谷図書文化館、2021)で監修を務める。 #
by genkishobou
| 2023-07-14 16:59
| 新刊情報
2023年 07月 12日
〈ルリユール叢書〉第33回配本 (46冊目・47冊目) フリードリヒ・シラー シラー戯曲傑作選 メアリー・ステュアート Schillers ausgewählte Dramen. Maria Stuart 津﨑正行=訳 シラー戯曲傑作選 ドン・カルロス スペインの王子 Schillers ausgewählte Dramen. Don Karlos, Infant von Spanien 青木敦子=訳 8月下旬に2点同時刊行いたします。 14世紀のスイスの民衆蜂起を題材にした『ヴィルヘルム・テル』(既刊)ともに、ご購読ください(ウィリアム・テルが息子の頭上のリンゴを射抜いた話は知られていても、その背景は、ほとんど知られていないのではないでしょうか。) 【著者略歴】 フリードリヒ・シラー(Friedrich Schiller 1759–1805)ドイツの作家、思想家。ゲーテと並ぶドイツ・ヴァイマル古典主義の代表的人物。一七八一年、戯曲『群盗』でデビュー。1788年に上梓した『オランダ独立戦争史』によりイェーナ大学歴史学教授として招聘される。1790年代にはカント研究の成果として『カリアス書簡』、『人間の美的教育について』などを出版し、美学者としても思想史に名を残した。1794年から始まったゲーテとの交流は、後期の詩作品や戯曲にも影響を与え、シラーの歿年まで続いた往復書簡は千通にも及んだ。 【メアリー・ステュアート】 予価:本体価格3,900円+税 予定ページ数:408頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-280-4 C0397 儚いこの世と無窮のあの世が入れかわるときには、その変化は、一度にして、瞬きする間もないほど素早く、生じるよりほかないものなのです。奥方さまも、神さまのおかげをもちまして、あの一瞬にして、毅然たるご態度で、この世での希望を退け、信仰にあふれるその御手で、天国をつかまれたのです。 16世紀のスコットランド女王メアリーの生涯の〈最後の三日間〉を舞台に、カトリック対プロテスタントの宗教・政治的対立を描いて波紋を呼んだシラーの歴史劇。メアリーの「精神的自由」という理念のドラマを、古典主義規範によって理性と感性の調和として厳密に構成した、全五幕の傑作悲劇。 私の見るところ、『メアリー・ステュアート』はドイツにおけるすべての悲劇のなかで、もっとも感動的で、もっとも厳密に構成されたものである。生まれながらにしてあれほどの幸福を約束されていたのに、数多の過ちゆえにその幸福を失ってしまい、19年間にもおよぶ監禁生活のすえに、ついには断頭台の露と消えたこの女王の運命が呼び起こす恐怖や同情は、オイディプスやオレステスやニオベに勝るとも劣らない。 ――スタール夫人 二人の女王がついに対面して争う場面では、シラーはその作品に往々にして見られる、人間関係をいささか熱狂的にとらえすぎてしまう傾向に陥ることなく、比類なき真実らしさと自然らしさによって、そこにまさに生きているようなイメージを私たちに見せてくれている。二人の女王はたがいに対する嫉妬で感情を高ぶらせるあまり、自分の地位のことも王位のことも忘れて罵り合い、何をはばかることもなく、ただひたすらに個人的なあてこすりに腐心するのである。 ――クリスティアン・ディートリヒ・グラッべ 人間がそこに身をおいて行動しなければならない世界は、シラーにおいてはつねに、無慈悲で、陰謀がはりめぐらされた政治的-歴史的な迷宮であり、ここで見出されるのは、苦痛、喪失、意味の欠落、無益、メカニズム、パラドックスである。すなわち、それは「バロック的」な悲哀を呼び起こす世界なのである。 ――ハンス゠ティース・レーマン 【訳者紹介】津﨑正行(つざき・まさゆき)1973年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。慶應義塾大学、東京理科大学、東京藝術大学非常勤講師。近代ドイツ演劇を専攻。訳書にベルトルト・ブレヒト『ファッツァー』、エルフリーデ・イェリネク『スポーツ劇』、ヨッヘン・へーリッシュ『メディアの歴史』(共訳)など。 【ドン・カルロス】 予価:本体価格5,200円+税 予定ページ数:544頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-281-1 C0397 息子が母親に恋する。世間のしきたりが、自然の秩序が、ローマの法律がこの恋を弾劾するだろう。僕の望むものは父上の当然の権利と真っ向から対立する。わかっているが、それでも好きなのだ。 「太陽の沈まぬ国」と謳われたフェリペ二世治下の盛期スペイン。王妃への秘密の恋に悩む王子ドン・カルロス、自由の国家の実現を目指すポーザ侯爵に、陰謀と策略をめぐらす宮廷の人々を交えて、友情劇、恋愛劇、政治劇が繰り広げられる。前期シラーの自由概念の到達点となった、全五幕の長大な歴史悲劇。 『ドン・カルロス』、この誇らしい詩によって15歳の私に呼び覚まされた、初めての言葉への熱狂を、どうして忘れることができましょう。 ――トーマス・マン シラーの理想的な文体の最初の戯曲が『ドン・カルロス』である。 ――ヤーコプ・ブルクハルト およそドイツ語で書く詩人で、シラーほどその生と創造において明瞭確固たる人はないように思われる。それでいてまた、われわれがより鋭い目で捉えようとするや、その存在を多様の中の統一として説明し解釈するのに、シラーほど困難な人もない。 ――エーミール・シュタイガー 『ドン・カルロス』でもシラーは、世界市民的な見解と根深く偏狭な国家的見解とのかけ離れた違いを表現した。 ――ヴィルヘルム・フンボルト 【訳者紹介】 青木敦子(あおき・あつこ) 1957年、熊本県生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科卒。学習院大学大学院博士課程修了。文学博士(名古屋大学)。現在、学習院大学および明治大学の非常勤講師。著書に『シラーの「非」劇――アナロギアのアポリアと認識論的切断』(哲学書房)、『影像の詩学――シラー「ヴァレンシュタイン」と一義性の思考』(月曜社)。訳書に『シラー詩集 第1部・第2部』(月曜社)。 #
by genkishobou
| 2023-07-12 11:32
| 新刊情報
2023年 06月 09日
ギ・ド・モーパッサン 渡辺響子=訳 モン゠オリオル Mont-Oriol 定価:本体価格3,500円+税 予定ページ数:376頁 四六変形・ソフト上製I SBN978-4-86488-279-8 C0397 刊行予定:2023年7月下旬 こういう温泉街ときたら、信じられないよ。地上にある唯一の夢幻の国だね! たった二カ月の間に、一年の残りの期間に宇宙の他の場所で起きるよりもたくさんのことが起こるんだ。 レジャーと治療、自然のスペクタクル、社交と娯楽、投機と事業、源泉所有権をめぐる資本所有者たちのたくらみと諍い、恋愛と姦通――温泉リゾート「モン゠オリオル」を舞台に種々様々な人間たちの「感情」が絡み合う、モーパッサンが描く一大〈人間喜劇〉。 『モン゠オリオル』においては、モーパッサンの普段の厳しさは妙に和らいでいて、依然として悲観的ではあっても氏の悲観主義が微笑んだと言っておかなければ、あとから反省することになるだろう。これまで氏の小説には感情が欠けていたが、喜ばしいことに『モン゠オリオル』では、それに出会うことができるのだ。 ──フェルディナン・ブリュンチエール 『モン゠オリオル』のような風俗小説においてモーパッサンは、われわれの新しい時代の社会の本質的な問題であるにもかかわらず研究されることのない種族の衝突をテーマとしている。 ──ポール・ブールジェ ゾラのペシミズムほど叙情的ではなく、叙事詩的な夢想ではなく残酷な観察から演繹されるモーパッサンのペシミズムは、これまであらゆるタイプの読者、昔日の小説の青い鳥を熱烈に支持する人々に衝撃を与えるような乱暴な様相をしていたが、そういった頑固な読者は『モン゠オリオル』を読むべきだ。 ──アナトール・フランス 【著者略歴】 ギ・ド・モーパッサン(Guy de Maupassant 1850–93) ノルマンディー生まれのフランスの小説家。『オルラ』『手』『首かざり』などの短編や時評(クロニック)、『女の一生』『ベラミ』などのシニカルな作風の小説で知られる。一八八〇年、ゾラたちと発表した『メダンの夕べ』所収の『脂肪の塊』で一躍有名になる。流派に属さず、フローベールとブイエから強い影響を受けた。すべてを見、眼差しによって理解しようというモットーのもと、冷徹な人間観察と自然描写を特徴とした。スポーツを好み、舟や気球からは自然の持つ力と人間の小ささを実感し、新しい身体感覚を得た。 【訳者紹介】 渡辺響子(わたなべ・きょうこ) 東京大学大学院(総合文化研究科)博士課程単位取得退学。パリ第三大学で文学博士号取得。現在明治大学法学部教授。専門はゾラ、サンド、モーパッサンを中心とする十九世紀フランス小説。訳書にアラン・コルバン『レジャーの誕生』、『記録を残さなかった男の歴史』(以上、藤原書店)、ダニエル・ペナック『エルネストとセレスチーヌのお話』(銀の月)他。 #
by genkishobou
| 2023-06-09 13:39
| 新刊情報
2023年 06月 09日
エレナ・ポニアトウスカ 鋤柄史子=訳 乾杯、神さま Hasta no verte Jesús mío 定価:本体価格4,800円+税 予定ページ数:544頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-278-1 C0397 刊行予定:2023年7月下旬 そうさ、今はここでただ、朝の五時になるのを待っている。もう眠ることすらない。子ども時分からのあらゆる出来事がひたすら頭によみがえるだけ。あの時代のこと、寄る辺なく、草鞋なく、目隠しの鬼ごっこに戯れるかのように革命に手を出して、殴打を浴びて生きたころのことが。この胸糞悪い人生に足腰がもうぐったりだ。 メキシコ革命を兵士として生きた後、労働者として、変動するメキシコシティの地を這って生きるヘスサという女性は何者か――ジャーナリストの経験を活かし、一個人の証言を多声的な〈女性〉の物語へと昇華させた、セルバンテス賞受賞の女性作家によるルポルタージュ文学の傑作長編。本邦初訳。 エレナ・ポニアトウスカの本を読むと、なぜ彼女がわたしのヒーローなのか、どうしてわたしは筆を執るのか、どんな作家になりたいのか、といった問いへの答えが鮮明になる。エレナは卓越した作家であるばかりでなく、並外れた人間性をもっている。その人間性によってこそ、エレナの文章は空高く羽ばたくのだ。 ──サンドラ・シスネロス エレナ・ポニアトウスカの名を挙げてセルバンテス賞は、噂好きの者から悲憤慷慨する者、自暴自棄になった者、それから告発者まで、エレナになにかを伝えたことのある幾千の者たちに栄誉を授けた。他者の率直な声を書き留めた作品をこれほど広範囲にわたって著した作家は他にはいない。 ──フアン・ヴィジョーロ エレナは時代の先をいった作家だ。クリエイティブ・ノンフィクションがアメリカで生まれるずっと以前から、すでにラテン・アメリカでそれを始めていた。 ──クリスティーナ・リベラ・ガルサ ポニアトウスカの世界は、ユーモアと空想がもつ突飛な拍子で律が成り立っており、そこでは、ごく日常の現実を不気味で不意をつく事柄と隔てるさかい目がぼやけて不確かなものになる。ジャーナリストとしての書き物と作家としての創作作品いずれにおいても、ポニアトウスカが綴る言葉はスペイン語の古典的文芸よりも口承の語りに近い。 ──オクタビオ・パス 【著者略歴】 エレナ・ポニアトウスカ(Elena Poniatowska 1932– ) ジャーナリスト、小説家。パリに生まれ、1942年にメキシコへ移住。1978年、女性で初めて全国ジャーナリズム賞を受賞。本書とあわせて、『トラテロルコの夜』『ティニシマ』『レオノーラ』など、数々の作品が文学賞に輝く。文学創作に証言を織り合わせながら、強靱でしなやかな独自の文体を確立してきた。その功績によって2013年にセルバンテス賞を受賞。 【訳者紹介】 鋤柄史子(すきから・ふみこ) 大阪府生まれ。メキシコ、チアパス自治大学先住民研究所にて修士課程修了、客員研究生を経て、2020年秋よりスペイン、バルセロナ大学社会人類学博士後期課程に在籍。現在の研究テーマはチアパスにおける文芸と翻訳の人類学。 #
by genkishobou
| 2023-06-09 13:22
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