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ご購入に関するお問い合わせは、メールにて受け付けております。 メール:genki@genki-shobou.co.jp TEL03-5283-3934 幻戯書房刊行の書籍の詳細は小社ホームページをご覧ください。 幻戯書房 (げんきしょぼう)は 歌人で作家の辺見じゅんが、父であり、角川書店の創立者である角川源義の創業の精神を受け継ぎ、設立した出版社です。 ライフログ
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2024年 12月 09日
〈ルリユール叢書〉第43回配本 (62冊目)
フリードリヒ・ヘッベル磯崎康太郎=訳 ニーベルンゲン 三部のドイツ悲劇 予価:本体価格4,800円+税 予定ページ数:448頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-316-0 C0397 刊行予定:2025年1月下旬 フロイトやブレヒトにも影響を与えた、19世紀ドイツ最大の悲劇作家フリードリヒ・ヘッベル――中世叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に忠実な劇作化が試みられ、ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』四部作と双璧をなすことになった、最後の観念劇とも言われるヘッベル晩年の大傑作。 『ニーベルンゲン』を三部構成にしたのは、素人でもそれが当然だと思えるがゆえに偉大な芸術的功績である。この構成は、詩人が劇にふさわしくない冗漫さに陥ることなく、筋書きのもつ悲劇性豊かな内容を余すところなく使うことができるという利点をもたらしている。この構成は見るたびにつねに新しい、そしてつねに感動的な状況をわれわれの魂に開示してくれるほどに計り知れない悲劇的深みのある題材をいくつか生み出している。――ハインリヒ・フォン・トライチュケ 観念劇にはイデオロギー的情熱や構成能力が必要な要素となる。そこでは登場人物をつくることだけでなく、かれらを収める絵、額縁、壁、家、さらには新しい空間をもつくることが重要だからである。これらはすべて思索家の情熱によって打ち立てられるというだけではなく、透けて見えなくなったりするものであるため、劇中で生を営み、観衆に徐々に洞察を授ける登場人物の動きでしか気づかれないものでもある。これをうまく表現した最後の人物がヘッベルである。――ローベルト・ムージル 『ファウスト』から『ニーベルンゲン』までのドイツの古典作家の作品は、なんと喜劇にふさわしい素材と着想の宝庫であることか!――ベルトルト・ブレヒト 【著者略歴】 フリードリヒ・ヘッベル(Friedrich Hebbel 1813–63) ドイツの劇作家、詩人、小説家。デンマーク王国領ホルシュタイン公国のヴェッセルブーレンに生まれる。1840年、処女作『ユーディット』を発表し好評を博す。その後、ロベルト・シューマンの同名のオペラの原作となった『ゲノフェーファ』、『マリア・マクダレーナ』などを発表。1836年にミュンヘンなどに遊学後、デンマーク国王の扶助によりパリやローマを旅行。ウィーンで女優クリスティーネ・エングハウスと結婚、劇作家としての名声を確立した。19世紀ドイツ最大の悲劇作家と称され、フロイトやブレヒトなど、後世の思想家や作家にも大きな影響を及ぼした。 【訳者紹介】 磯崎康太郎(いそざき・こうたろう) 1973年、神奈川県生まれ。現在、福井大学教授。専門は近現代ドイツ文学。著書に『アーダルベルト・シュティフターにおける学びと教育形態』(松籟社)、『ドイツ語圏のコスモポリタニズム 「よそもの」たちの系譜』(共著、共和国)、訳書にアーダルベルト・シュティフター『書き込みのある樅の木』、アライダ・アスマン『記憶のなかの歴史―個人的経験から公的演出へ』(ともに松籟社)などがある。 #
by genkishobou
| 2024-12-09 14:27
| 新刊情報
2024年 12月 09日
銀河叢書24冊目 書棚の一隅 西村賢太が愛した短篇 杉山淳 編 本体3400円+税 四六上製 256頁 978-4-86488-315-3 C0393 2025年1月下旬刊 文豪ばかりが作家じゃないことを、いつか教えてもらっていた。 その耽読した作品をめぐる文章や発言をもとに編んだ、明治・大正・昭和の10篇。 西村賢太の文学の軌跡を追体験する、その書架の一隅。 「現今の評論家や小説家風情の恣意的な文学史には一切頼らぬ」 【収録作】 村山槐多「悪魔の舌」……悪食が嵩じて人肉を求める過程の描写の妙は、乱歩だけでなく私のような馬鹿の中卒者をも、確かに唸らせてくれたのである。 倉田啓明「謀反」……散見するところの新味もやくたいもない、その種の“文学史”本中には、書き手の無知から拾い上げることが不可能な作家の一人となっているのだ。 大坪砂男「天狗」……まるでムダな体脂肪と云うものがない。鋼の筋肉のみで構築されたような、他に類のない驚異的な文体である。 松永延造「アリア人の孤独」……『松永延造全集』は、私の貧しい書架――その全集類を並べた棚の一つの、一番いい位置に配している。即ち、最上段の左側に三冊並べている。 葛西善蔵「哀しき父」……凶暴性を孕んだ自虐のユーモアを書かせて、この私小説家の右に出る者は未来永劫絶対にない。 嘉村礒多「足相撲」……これが嘉村の筆になると、さすがにそれらの類のものとは質の異なる、葛西への屈折した呪詛を盛り込んだ私怨漲る不気味な作を発表している。 田中英光「N機関区」「少女」……揃いで三万円程の『全集』を購め、一作ごとにコピーを取り、それを日替わりで常に携えながら、港湾人足に出向く行き帰りの電車内や、作業の昼休み時間中に繰り返し繰り返し読み込んだ。これがその頃の一番楽しい時間でもあった。 北條民雄「いのちの初夜」……人間みな必ず死ぬ運命にある基本的なことを思い出せば、この作にちと疑問を持ってしまう点もまた同様である。 山本周五郎「須磨寺附近」……それは同号創作欄の、泉鏡花や正宗白鳥、近松秋江、里見弴、或いは新進の川端康成や牧野信一ら錚々たる名文家の中にあって、小面憎い程の存在感を放っていた。 各篇著者略歴 村山塊多 むらやま かいた 明治29―大正8年(1896―1919) 神奈川県出身。画家、詩人、小説家。京都府立第一中学卒。ポー、ボードレール、ランボーに心酔、詩や戯曲をつくり、絵を描いた。短い生涯で六編の短篇小説を遺し、いずれの作品も怪奇趣味が色濃く、ロマン主義的傾向が強い。 倉田啓明 くらた けいめい 明治24―?年(1891―?) 武州出身。没年不明。自称、鏑木清方の遠縁。慶應義塾出身者を中心とする三田派の文士として登場。初期は耽美的な作風だったが、谷崎潤一郎の贋作を執筆し、原稿料を詐取した容疑で収監後は大衆小説家として活躍。探偵小説をはじ8めジャンルを横断して執筆活動を行ったが、昭和10年代を最後に消息が途絶える。 大坪砂男 おおつぼ すなお 明治37―昭和40年(1904―65) 東京牛込出身。探偵小説家。江戸川乱歩が『宝石』誌からデビューした香山滋、島田一男、山田風太郎、高木彬光、大坪砂男を評したいわゆる「戦後派五人男」の一人。佐藤春夫の推薦により「天狗」が『宝石』誌に掲載される。文体への徹底したこだわりから、極端な遅筆となり、最後には創作不能状態となった。 松永延造 まつなが えんぞう 明治28―昭和13年(1895―1938) 神奈川県出身。小学校二年で脊椎カリエスとなり、生涯、闘病生活を送る。ドストエフスキーから決定的な影響を受ける。文壇的には孤立しており、生前に大きく評価されることはなかった。代表作は大正11年(1922)刊行のアンチミステリーの傑作『夢を喰う人』。 葛西善蔵 かさい ぜんぞう 明治21-ー昭和3年(1887―1928) 青森県出身。徳田秋声に師事。同人誌『奇蹟』に発表した「哀しき父」が評判となり、作家としてデビュー。寡作なことでも知られ、破滅型文士の典型ともいえる生涯を送った。 嘉村磯多 かむら いそた 明治31―昭和8年(1897―1933) 山口県出身。宗教性と交錯する破滅型私小説の書き手として知られる。葛西善蔵とのかかわりは、新潮社の文芸誌『不同調』の記者を務めていた際、担当編集者になったところから始まる。 田中英光 たなか ひでみつ 大正2―昭和24年(1913―49) 東京赤坂出身。昭和7(1932)年、ロサンゼルスで開催された第10回オリンピック大会に、ボートの日本代表として参加。のちの「オリンポスの果実」の題材となる。太宰治に師事。アルコール依存、薬物中毒に陥りながら、創作活動に従事。デカダンスな生活を送った末、昭和24(1949)年11月3日、三鷹禅林寺の太宰の墓前で自裁。 北條民雄 ほうじょう たみお 大正3―昭和12年(1914―37) 朝鮮京城(現ソウル)出身、徳島で育つ。東村山の全生院入院後、川端康成に師事。川端の仲介で『文学界』に発表した第二作「いのちの初夜」(1936)が評判となる。創作に全身全霊で打ち込む中、結核を病み夭折。川端は北條の死に取材した短篇「寒風」(1941―42)を遺している。 山本周五郎 やまもと しゅうごろう 明治36―昭和42年(1903―67) 山梨県出身。苦労の末、大衆小説家としての地位を不動のものとした。他者を容易に近づけることなく、禁欲的に創作に打ち込む生活を送ったが、大衆に寄り添った作風でも知られる。代表作に『樅ノ木は残った』(1958)等。 編者略歴 杉山淳 すぎやま あつし 昭和48年(1973)―東京生、国文学研究者。単著として『怪奇探偵小説家、西村賢太』(東都我刊我書房 2023)等。共編著多数。 #
by genkishobou
| 2024-12-09 14:15
| 新刊情報
2024年 11月 15日
両吟集 爛柯 別所真紀+佐久間鵠舟 ISBN978-4-86488-311-5 C0092 定価(本体1,800円+税) 装幀は真田幸治さん ※ランカ【爛(柯】とは 両吟 集 爛柯〔述異記〕(斧(オノ)の柯(エ)が爛(クサ)る意。晋(シン)のきこり王質が、森の石室の中で童子らが打っている碁を見ているうちに、斧の柄が腐ってしまうほど時がたったという故事から)㊀囲碁に夢中になり、時間が過ぎるのを忘れること。㊁遊びにふけって時のたつのを忘れること。(新潮国語辞典 現代語・古語 初版) コロナ禍にあって、複数での座が困難であったときに、二人で織りなした連句=両吟を集成。 「連句は連想がもたらす時空の変化、イメージの変遷を言葉で定着しようとする試みである。」 現代連句出版の到達点。 令和二年 コロナ・パンデミック 遠雷の街に潜める憂ひあり 朱夏の渚に寄する高波 令和五年 コロナほぼ終息 原色のラテン系ゆく冬の街 カオスを蹴ってブーツ闊歩す (まえがき より) 俳諧連句は、山本健吉がいみじくも名付けたように『座の文学』です。私は『座』を共生空間とも呼びますが、幾人かの連衆が一座して即座即興に付け合い、歌仙なら三十六行のうちに森羅万象を詠みこみ、紙の上に架空の乾坤を打ち建てる特殊な文芸形式。(私は芭蕉の謂う乾坤をミクロ・コスモスとも言い換えています。 (別所真紀) (あとがき より) 詩人、俳諧誌「解䌫」主宰の別所真紀先生にお会いできた事になりました。そして、ただ、知識的に断片的かつ些少な知識しか持っていなかった俳諧(連句)について、生きた知識、経験、体系的な知識を得、実践する場を得ることができるようになりました。そして、実作なしに、この文藝、連句を理解できないことを理解しました。 (佐久間鵠舟) 真紀 まき(本名 別所真紀子) 一九三四年、島根県生まれ。詩人・作家。著書は、別所真紀子名で、詩集に『しなやかな日常』『アケボノ象は雪を見たか』『ねむりのかたち』『すばらしい雨』、詩句集に『風曜日』、評論集に『芭蕉にひらかれた俳諧の女性史』『言葉を手にした市井の女たち』、俳諧評論『共生の文学』(長谷川如是閑賞論文を含む)、『江戸おんな歳時記』(小社刊、読売文学賞)など。小説に、『雪はことしも』(歴史文学賞)『つらつら椿』(町田文化賞)『芭蕉経帷子』『残る蛍』『数ならぬ身とな思ひそ』『詩あきんど 其角』(小社刊)『浜藻崎陽歌仙帖』(小社刊)、童話に『まほうのりんごがとんできた』など。 鵠舟 こうしゅう(本名 佐久間幸秀) 一九五〇年、東京都生まれ。一九七四年一橋大学法学部卒。銀行に就職。国内支店、本部勤務を経て、海外勤務(バンコク、大連)、日系企業の海外投資活動等を支援、退職後は、上場企業、海外合弁企業、銀行系不動産会社を経て現在はエンジニアリング商社勤務、学術財団監事。二〇一七年に連句会「解纜」に参加、同会終息のため、現在「泉声の会」所属。「銀座並木通り合唱団・団員。」 #
by genkishobou
| 2024-11-15 14:39
| 新刊情報
2024年 11月 11日
ミシェル・ビュトール
石橋正孝 監訳 福田桃子、岩下綾、小川美登里 他訳 ミシェル・ビュトール評論集 レペルトワールIV [1974] 予価:本体価格6,300円+税 予定ページ数:544頁 A5・上製 ISBN978-4-86488-312-2 C1098 刊行予定:2024年12月下旬 真に革新的なのは、新しいジャンルを生み出すこと、 諸ジャンルのあいだの均衡を攪乱することだ。 文学の優位性を否定し、断片のエクリチュールにより文学の閾を超え、諸芸術の対等性へ。ビュトール流「旅学(イテロロジー)」は、言語からイメージへ、イメージから言語へと自由に行き来しながら創作゠批評を展開する。「絵画のなかの言葉」を皮切りに、絵画の文学性、文学の絵画性を交錯させる、絢爛たる論理の一大円舞。 地域、言語、芸術の境界を攪乱し、 自らの歴史的厚みを開示するヒエログリフ のような批評が繰り広げられる評論集第四弾! 【目次】 旅とエクリチュール 絵画のなかの言葉 ヴィヨンの韻律法 ヒエログリフとサイコロ フーリエにおける女性的なもの 螺旋をなす七つの大罪 ボードレール小品(オプスクルム・ボードレリアヌム) 短編映画ロートレアモン 実験小説家エミール・ゾラと青い炎 ジルベール・ル・モーヴェの七人の女 もうひとつの七面体 百頭女の語ること 変容 陰険な者たちのパレード ちょっとした合図 モデルの深淵で 魅惑する女(ひと) 流行(モード)と現代人(モデルヌ) 臣従の誓い 私の顔について タイプライター礼賛 今日、あれこれと本をめぐって 解題 【著者略歴】ミシェル・ビュトール(Michel Butor 1926‐2016) フランスの小説家、詩人、批評家。フランス北部モン゠ザン゠バルールで生まれる。ヌーヴォー・ロマン(Nouveau Roman)の作家の旗手のひとりと目される。1956年、小説第二作『時間割』(L’emploi du temps)でフェネオン賞(le Prix Fénéon)を受賞、翌年1957年第三作目の『心変わり』(La Modification)でルノドー賞(le Prix Théophraste Renaudot)を受賞し注目を集めた(主人公に二人称代名詞「あなたは」を採用した小説作品として有名)。1960年に四作目の『段階』(Degrés)を発表後は小説作品から離れ、1962年『モビール──アメリカ合衆国再現の習作』(Mobile: Étude pour une représentation des États-Unis)を皮切りに空間詩とよばれる作品を次々と発表し始める。画家とのコラボレーション作品が数多く、書物を利用した表現の可能性を追究し続けた。文学をはじめ絵画、音楽などを論じた評論集『レペルトワール I~V』(本書、以下五巻で完結)がある。 【監訳者略歴】石橋正孝(いしばし・まさたか) 1974年、横浜生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学、パリ第八大学大学院博士課程修了、博士(文学)。現在、立教大学観光学部准教授。専門は十九世紀フランス文学(ジュール・ヴェルヌ)。著書に『大西巨人 闘争する秘密』(左右社)、『〈驚異の旅〉または出版をめぐる冒険──ジュール・ヴェルヌとピエール゠ジュール・エッツェル』、『Michel Butor : à la frontière ou l’art des passages』(共著、ディジョン大学出版局)、『あらゆる文士は娼婦である──19世紀フランスの出版人と作家たち』(共著、白水社)、『鳥たちのフランス文学』(共著、幻戯書房)など。訳書にミシェル・ビュトール『レペルトワールI [1960]』『レペルトワールII [1964]』『レペルトワールIII [1968]』(監訳、幻戯書房)、『ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクションII 地球から月へ 月を回って 上も下もなく』(インスクリプト)、レジス・メサック『「探偵小説」の考古学──セレンディップの三人の王子たちからシャーロック・ホームズまで』(監訳、国書刊行会)がある。 【翻訳者略歴】 福田桃子(ふくだ・ももこ) 1978年、神奈川県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、パリ第四大学大学院博士課程修了、博士(文学)。現在、慶應義塾大学経済学部准教授。専門は19世紀・20世紀フランス文学(マルセル・プルースト)およびフランス映画。著書に『Les femmes tutélaires dans À la recherche du temps perdu: approche intertextuelle de la figure de la servante』(オノレ・シャンピオン)、『鳥たちのフランス文学』(共編、幻戯書房)など。訳書に、ミシェル・ビュトール『レペルトワールI [1960]』『レペルトワールII [1964]』『レペルトワールIII [1968]』(共訳、幻戯書房)、ジェラール・マセ『フォルチュニのマント』(水声社)がある。 岩下綾(いわした・あや) 1979年、東京都生まれ。パリ第四大学大学院博士課程修了、博士(文学)。現在、慶應義塾大学准教授。専門は16世紀フランス文学(フランソワ・ラブレー)。訳書にG・ヴィガレロ編『感情の歴史I』(共訳、藤原書店)、E・コバスト『100の神話で身につく一般教養』(共訳、白水社)、A・イズリーヌ『ダンスは国家と踊る――フランス コンテンポラリー・ダンスの系譜』(慶應義塾大学出版会)、ミシェル・ビュトール『レペルトワールII [1964]』(共訳、幻戯書房)がある。 小川美登里(おがわ・みどり) 1967年、岐阜県生まれ。カーン大学にて博士号取得。現在、筑波大学人文社会系准教授。専門は現代フランス文学。著書にLa musique dans l’œuvre littéraire de Marguerite Duras、Voix, musique, altérité: Duras, Quignard, Butor(いずれもラルマッタン社)、 パスカル・キニャールとの共著に、Le Havre-Nagasaki(エルマン社)、『ル・アーヴルから長崎へ』(水声社)。訳書に、クリスチャン・ドゥメ『三つの庵──ソロー・パティニール・芭蕉』(共訳、幻戯書房)、個人訳に『楽園のおもかげ』『静かな小舟』『落馬する人々』『謎──キニャール物語集』『いにしえの光』『秘められた生』、共訳に『さまよえる影たち』(いずれも〈パスカル・キニャール・コレクション〉、水声社)がある。 荒原邦博(あらはら・くにひろ) 1970年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。パリ第四大学大学院博士課程DEA修了、博士(学術)。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。専門は近現代フランス文学、美術批評研究。著書に『プルースト、美術批評と横断線』(左右社)、『ジュール・ヴェルヌとフィクションの冒険者たち』(共著、水声社)、訳書にJ・ヴェルヌ『ハテラス船長の航海と冒険』(インスクリプト)、ミシェル・ビュトール『レペルトワールI [1960]』『レペルトワールII [1964]』『レペルトワールIII [1968]』(共訳、幻戯書房)、マリー・ダリュセック『ここにあることの輝き──パウラ・M・ベッカーの生涯』(東京外国語大学出版会)がある。 上杉誠(うえすぎ・まこと) 1984年、東京都生まれ。東京大学人文社会系研究科欧米系文化研究専攻博士課程単位取得退学。パリ第三大学博士課程修了、博士。現在、慶應義塾大学文学部助教。専門は19世紀フランス文学(スタンダール)。訳書に、ミシェル・ビュトール『レペルトワールI [1960]』『レペルトワールIII [1968]』(共訳、幻戯書房)、共著書に、『フランス文学を旅する60章』(明石書店)がある。 笠間直穂子(かさま・なおこ) 1972年、宮崎県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、国学院大学文学部教授。フランス語近現代文学研究、仏日文芸翻訳。著書に『文芸翻訳入門』(共著、フィルムアート社)、『文学とアダプテーション』(共著、春風社)、『鳥たちのフランス文学』(共著、幻戯書房)など。訳書に、マリー・ンディアイ『心ふさがれて』(インスクリプト、第十五回日仏翻訳文学賞)、モーパッサン『わたしたちの心』(岩波文庫)、C・F・ラミュ『詩人の訪れ 他三篇』(〈ルリユール叢書〉、幻戯書房)、ジャン・フランソワ・ビレテール『北京での出会い もうひとりのオーレリア』(みすず書房) 、ジル・クレマン『第三風景宣言』(共和国)などがある。 倉方健作(くらかた・けんさく) 1975年、東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程退学後、同研究科で博士号(文学)取得。現在、九州大学言語文化研究院教授。専門はヴェルレーヌを中心とする近代詩。共著に『カリカチュアでよむ19世紀末フランス人物事典』、『あらゆる文士は娼婦である──19世紀フランスの出版人と作家たち』(以上、白水社)、訳書にポール・ヴェルレーヌ『呪われた詩人たち』(〈ルリユール叢書〉、幻戯書房)、ミシェル・ビュトール『レペルトワールI [1960]』『レペルトワールII [1964]』『レペルトワールIII [1968]』(共訳、幻戯書房)、ピエール・ブルデュー『知の総合をめざして 歴史学者シャルチエとの対話』(共訳、藤原書店)がある。 三枝大修(さいぐさ・ひろのぶ) 1979年、千葉県生まれ。ナント大学博士課程修了、博士(文学)。現在、成城大学経済学部教授。専門は近代フランス文学。共著に『モダニズムを俯瞰する』(中央大学出版部)、『フランス文学を旅する60章』(明石書店)、『ジュール・ヴェルヌとフィクションの冒険者たち』(水声社)、『鳥たちのフランス文学』(幻戯書房)など。訳書にジュール・ヴェルヌ『シャーンドル・マーチャーシュ 地中海の冒険[上・下]』(〈ルリユール叢書〉、幻戯書房)、ミシェル・ビュトール『レペルトワールI[1960]』『レペルトワールII[1964]』(共訳、幻戯書房)などがある。 篠原洋治(しのはら・ひろはる) 1959年、愛知県生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士過程単位取得退学。パリ第八大学博士課程DEA(哲学)取得。現在、早稲田大学政治経済学部非常勤講師。専門はシャルル・フーリエを中心とする近代思想史。共著に『近代思想のアンビバレンス』(御茶ノ水書房)、訳書にルネ・シェレール『ドゥルーズへのまなざし』(筑摩書房)がある。 田中琢三(たなか・たくぞう) 1973年、兵庫県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学、パリ第四大学大学院博士課程修了、博士(文学)。現在、お茶の水女子大学准教授。専門は近代フランス文学、比較文学。共編著に『高畑勲をよむ 文学とアニメーションの過去・現在・未来』(三弥井書店)がある。 堀容子(ほり・ようこ) 1974年、山梨県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学文学部非常勤講師。専門は現代フランス小説。訳書に、ミシェル・ビュトール『レペルトワールIII [1968]』(共訳、幻戯書房)、ジャック・ランシエール『無知な教師──知性の解放について』(共訳、法政大学出版会)がある。 三ツ堀広一郎[みつぼり・こういちろう] 1972年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。現在、東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門は現代フランス文学。訳書に、ミシェル・ビュトール『レペルトワールI [1960]』『レペルトワールII [1964]』『レペルトワールIII [1968]』(共訳、幻戯書房)、ドミニク・ラバテ『二十世紀フランス小説』(白水社)、レーモン・クノー『ルイユから遠くはなれて』(水声社)、フィリップ・ソレルス『本当の小説 回想録』(水声社)、アンドレ・ジッド『法王庁の抜け穴』(光文社)がある。 #
by genkishobou
| 2024-11-11 16:01
2024年 11月 11日
〈ルリユール叢書〉第42回配本 (61冊目)
マックス・ブロート 中村寿=訳 ユダヤ人の女たち 予価:本体価格4,200円+税 予定ページ数:424頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-313-9 C0397 刊行予定:2024年12月下旬 彼女の地上的な実存は彼にとって、どこまでも取るに足らぬものでしかなくなっていた。どこかもっと高い区域、もっと純粋な区域で、彼女の心が彼の心と、透明なガラス玉のように、空間を漂っていた。この無限に柔らかな、意義深い、雲を越える永遠のたゆたい、きっとそれがほんらいの生であり、より現実の生であるはずだった。 カフカ没100年記念出版 文学の徒にして親友だったフランツ・カフカの遺言に逆らい、遺稿を守って亡命、カフカ全集を編纂して世界文学に貢献した作家・翻訳家マックス・ブロート――1910年代チェコのギムナジウムに通うドイツ系ユダヤ人青年の恋愛と蹉跌を赤裸に描く、ブロートの自伝的小説。本邦初訳。 現在われわれは、西欧の小説がユダヤ人のなんらかのグループを扱おうとし始めるや否や、たちまちユダヤ人問題の解決策までもその小説の筋以下か以上に求めたり見いだしたりする癖がある、と言っても過言ではない。『ユダヤ人の女たち』のなかでは、しかしそういう解決は示されていない。いや、想像されてさえいない。というのは、こういう問題に熱心にとり組んでいる例の人たちが、この小説においては中心から遠く離れたところに立っているからである。――フランツ・カフカ われわれが日頃関わっている人々をその雰囲気もろとも物語の形式に落としこむこと、それがブロートの並外れた芸術にほかならない。――フーゴ・ヘルマン ブロートは五十年以上前におののきながら、せまりつつある人間の脱人間化を予見していた、ジョージ・オーウェルよりもずっと先に。――ローベルト・ヴェルチュ 【著者略歴】マックス・ブロート(Max Brod 1884–1968) チェコスロヴァキア・イスラエルの文筆・音楽評論・作曲家。プラハ大学ドイツ語部門にて法学博士の学位を得たのち、郵政官吏を経て、作家・評論家生活に入る。1939年にパレスチナ移住。著書多数。最もよく知られている業績は、カフカの友人兼助言者、遺稿編集・紹介者、伝記作家としての仕事である。小説に『チェコ人の女中』、『アーノルト・ベーア――あるユダヤ人の運命』、『ティコ・ブラーエの神への道』、『ユダヤ人の王ロイベニ』 などがある。 【訳者紹介】中村寿(なかむら・ひさし) 1977年、静岡県浜松市生まれ。秋田大学教育文化学部講師。静岡大学人文学部卒、静岡大学人文社会科学研究科修士課程修了、北海道大学文学研究科博士後期課程単位修得退学、博士 (文学) 。専門はドイツ文学・ユダヤ人研究。 #
by genkishobou
| 2024-11-11 15:46
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