空前にして絶後、20世紀日本が誇る詩人の詩と随想や童話が甦る
吉田一穂 傑作選
白鳥古丹(カムイコタン)
解説・
堀江敏幸
「太古へ三十度傾いた、もうひとつの地軸の先に輝く不可視の極をめざして、一穂の言葉は垂直に飛ぶ。」(堀江敏幸)
金子光晴、西脇順三郎などと親交があり、埴谷雄高、澁澤龍彦、花田清輝、岡本太郎、大野一雄らに慕われ、影響を与えた〈極北の詩人〉吉田一穂の代表的な詩篇をはじめ、今では触
れることが難しい随想・試論(自然科学のことなど)を現代仮名遣い、新字体で精選!
■収録作
詩篇 母、白鳥ほか
随想 桃花村、寒燈録
試論 黒潮回帰、古代緑地
童話 うしかいむすめ ほか
四六上製(仮フランス装) 本文320頁 本体予価3800円 ISBN978-4-901998-51-2 C0095
09年12月下旬刊予定
■著者紹介
吉田 一穂(よしだ いっすい、1898年- 1973年) 大正・昭和期の詩人、評論家、童話作家。北海道上磯郡木古内町字釜谷村の漁師の家に生まれる。16歳で上京しするものの、少年期を過ごした北海道・古平を
「白鳥古丹」と呼んでこよなく愛し、一穂の詩作の原点は「北海道」にあり
,「極北の詩人」とも呼ばれる。《北原白秋、西脇順三郎、そして吉田一穂。日本の詩人はこの三人ですべてです》と加藤郁乎をして言わしめている。
ご期待ください。幻戯書房の2009年最後の新刊となります。