15年にもわたって挑んだ、恩地孝四郎伝、遂に刊行!
池内 紀
恩地孝四郎 一つの伝記
辻まこと(『見知らぬオトカム』みすず書房、1997)
関口存男(『ことばの哲学』青土社、2010)
に続く、
池内紀にとっての精神の同行者、3人目の評伝。これで、池内紀評伝3部作完結します。
◆あとがき
◆より
不思議な感性の人なのだ。抽象画にかぎらず写真の応用、写真を文章と組み合わせたフォトグラム、コラージュ、フロッタージュ、箱の絵… モダニズムの試みのすべてを、いち早くひとりでやってのけて、しかも実験くささがなく、清潔で、繊細で、完成されていた。(……)
はやばやと流行をとりこみ、流行をこえたところで作品化できたのはどうしてか。戦中・戦後の荒ぶれた時代にあって、この感性の人を成り立たせていたものは何だったのか。
恩地孝四郎(おんち・こうしろう 1891-1955)
叙情的な詩人、抽象版画の先駆者、萩原朔太郎『月に吠える』をも手がけた伝説の装幀家… 様々な顔を持ち、今なお愛書家から熱狂的な支持を受ける芸術家の全体像をとらえた、 初めての本格的評伝。
戦前・戦後の出版文化を考察する上でも重要な1冊。
☆恩地孝四郎による写真、絵画、
版画ほか、装本、葉書など図版資料を多数収録
☆著者による詳細な年譜を収録
2012年4月3日頃刊行予定
A5上製 予352ページ 本体予価5200円
ISBN978-4-901998-92-5