河原 宏 (解説・中野剛志)
秋の思想 かかる男の児(おのこ)ありき
を5月下旬に刊行いたします。
◆時代の限界にあって、時代に翻弄されないための、先人との対話
中世、近世、近代そして現代。それぞれの時代の境界〈秋〉を、情と志に生き且つ死んだ「人」。
現代の合理主義の〈秋〉からの脱出は、死者との出会いに懸かっている。
【目次より】
1、中世の武将の情と義
源実朝 楠木正行
2、江戸の芸術家
近松門左衛門 伊藤若冲
3、江戸の秋 維新の哀歓
島崎藤村 永井荷風
4、戦後文学の輪廻転生観
三島由紀夫 深沢七郎 遠藤周作
すべてはあのホリエモン流に想定の範囲内だったはずの近代文明最高の成果が、もはや想定外の事態に対処できないでいる。人々の疑惑と
懐疑は際限なく拡大をつづけている。
戦後日本の大勢は、ひたすら生の謳歌と死の隠蔽に腐心してきたように思う。それこそが、あの戦後神話を維持する所以だったからである。だが人間の生と死には悲しみがあり、死と生に歓びのあることを見いだしてゆくことによって、人はそれぞれに自分にとっての「信」の在り処を問い求めるようになってゆくだろう。
(本文「結び」より)
【河原 宏 かわはら・ひろし】
1928年東京都生まれ。早稲田大学政治学博士。日本政治思想史。
1998年に早稲田大学政治経済学部教授を退官し、名誉教授に就任。
2012年2月28日多臓器不全により逝去。本著が遺稿となった。
四六上製 272頁
本体予価3,000円 ISBN978-4-901998-95-6 C0095