★わたしの手がおぼえていること 小説家の父の口ぐせ、台所の母、書きつづけることへの決意
井上荒野
夢のなかの魚屋の地図
家庭を持つことが苦手な父、作家・井上光晴。二世作家であることを乗り越え、自身も作家として確立していく中での思いを綴る。母のこと、妹のこと、夫のこと、猫のこと、そして、もちろん、
焼き豚ときゅうりのサンドウィッチ、揚げたてのドーナツ、アイリッシュシチュー、ロシアのコロッケ、鰤かぶら、土鍋でごはんなどこだわりの食について。
来年、作家生活25周年をむかえる直木賞作家の初めてエッセイ集。
(新聞・雑誌に掲載のエッセイより読み応えのある作品を精選)
●本文より
無数の、とるにたらない最後のときを積み重ねて、日々は過ぎていくということだ。人は最初のことはたいがい覚えているのに、最後の多くは曖昧になる。そうしないと到底生きていけるものではないのかもしれない。人とのかかわりにも当然最後はあって、そのことまで考え出すと切なさは計り知れないものになる。死んだ父との最後の会話を、私は覚えていない。
四六判仮フランス装(やわらか目のハードカバー)
272頁 本体予価2000円
ISBN978-4-86488-037-4 C0095
装幀=大久保伸子/装画=三宅瑠人
2013年12月20日頃刊
★ミニコミ誌、16年の記録
竹岡準之助 小出版社「あすなろ社」社主
古塔の街
センスとユーモア溢れる編集者の〈埋め草〉集
「中国こだわり旅」ほか、小出版社の知る人ぞ知る本の読後感とコラムを収録。愚痴っぽくなりながらも余裕のある時間をたのしく過ごす人生の先輩の知恵。
ISBN978-4-86488-038-1 C0095 256頁
老優の述懐
編集者のこだわり一筆集 季刊誌の編集後記集
敢えて身辺雑記風とした編集後記。ある文学賞の下読みや、吉行淳之介の葬儀の思い出など16年分をまとめる。
ISBN978-4-86488-039-8 C0095 192頁
●著者紹介 (たけおか・じゅんのすけ)1934年京都市生まれ。早稲田大学仏文科卒。学生時代に三浦哲郎、佐藤光房らと同人誌「非情」を創刊。64年、あすなろ社を創業。三浦哲郎『柿の蔕』、『遺された親たち』(1~4)ほか多数出版。季刊誌「パピヨン」(1996~2012年)を編集発行。著書に『愚者の科学』。
2点とも 四六上製 本体 各2500円
12月13日刊
★さらに12月には、
岡井 隆さんの
木下杢太郎を読む日(仮)を予定しています。改めて、近日中にご案内します。