安村敏信
線で読み解く日本の名画
四六判256頁(カラー口絵4頁)本体予価3000円
ISBN978-4-86488 -074-9 C0071
2015年6月下旬刊
私たちの目に見えない(存在していない)線が、東洋の絵画にはある!
日本絵画の要諦は輪郭線にあり
西洋絵画にはない輪郭線で読み解く画期的な美術史
モノをカタチづくる「輪郭線」と、画家たちはいかに格闘してきたのか? 奈良時代の落書きから浮世絵、近代画まで、美術史1200年を新しい視点で読み返す日本絵画案内。
図版82点
【目次より
】
線の辿った道――奈良から鎌倉まで
明兆 ひらひらと舞い踊る線
雪舟 摩訶不思議な無重力の線
雪村 水飴のような粘気のある線
狩野探幽 暴れ廻るような極太の線
長谷川等伯 濃淡を戦わせた線
菱川師宣 浮世を活写する線
尾形光琳 線の復活と文様化
小田野直武 水面の影・立体を描く細線
円山応挙 筆で描き出す量感
曽我蕭白 過剰な自意識が込められた線
伊藤若冲 跳ね上がるような力強い線
与謝蕪村 闇に消えてゆく線
東洲斎写楽 醜い個性まで引き出す非情な線
谷文晁 変幻自在に使い分けられる線
酒井抱一 線からの逃走と回帰
河鍋暁斎 個性が現われる自在な線
横山大観 線の否定、復活そして滲みへ
【著者略歴
】
安村敏信(やすむら・としのぶ)
1953年富山県生まれ。東北大学大学院修士課程(日本美術史)で辻惟雄などに師事。板橋区立美術館に勤務し、2013年まで同館館長。江戸狩野派の研究と作品の発掘に携わり、ユニークな展覧会を数多く企画。現在、「江戸探偵」として活動中。主な著書に『江戸の絵師「暮しと稼ぎ」(小学館)『江戸絵画の非常識』(敬文舎)『肉筆幽霊画の世界』(新人物往来社)など多数。