60、70年代のアメリカ文学と日本の翻訳出版事情
60年代の早川書房社内での著者【手前・最左】
常盤新平
翻訳出版編集後記
解説:宮田 昇
四六判ソフトカバー 320頁 本体予価3400円
ISBN978-4-86488-098-5 C0095
早川書房における十年間の編集者生活。英米のエンターテインメント小説やノンフィクションを刊行し、出版界に新たな道を拓いた著者が、自らの体験を基に、新潮社、河出、角川などを含め、翻訳出版を振り返る。新発掘!
〔初出:「出版ニュース」1977.6上~1979.12上〕
◆本文より
◆私にとっても、早川書房にとっても、翻訳出版が冒険であったことを書いてみたかったのである。一冊一冊が未知との遭遇であったことの興奮とよろこびを、いまのうちに書いておきたかった。(略)
早川書房の編集者たちは、都筑さんも福島さんも「冒険」していたことは確かである。私もその末席につらなることができたのは幸運だった。
【本書の内容
】
ハヤカワ・ノヴェルズの誕生
当った『ゴッドファーザー』
うまい翻訳者は「あとがき」が下手
翻訳は結婚に似ている
神話化されていた「ニューヨーカー」
喫茶店で原稿を書いていた人々
ベストセラーの可能性は三度あるはず
二足のワラジで知識をつめこんだ
すぐれた仕事をした“まとも”でない翻訳者
誤訳はすぐに見つかるが名訳はみえてこない
もしもう一度編集者になったらと空想する
…………その他