
銀河叢書(既刊11冊) 8回配本2点
8月25日頃、同時刊!
田中小実昌エッセイ集
題名はいらない
ついいろいろ考えてしまうのは、わるいクセかな……
ふらふらと旅をし、だらだらと飲み、もやもやと考える。
何もないようで何かある、コミマサエッセイの真髄。
新聞、雑誌などに発表の初書籍化86篇。
■本体3900円
ISBN978-4-86488-105-0 C0395 四六上製 384頁
★本書構成
★
1 練馬に引越してからの日常
2 旅の思い出。東京の飲屋
3 海外でのエピソード
4 本の話、友人の話
5 幼少期から戦争、戦後
6 小説を書くことについて ほか
読み進むにつれ、作家・田中小実昌の人間像が浮き彫りとなる
★本文より ある雑誌に、ちょいちょい小説を書いてたとき、「また、題名がないんですか。題名も原稿料のうちですよ」と編集者に言われた。それで、「じゃ、題名のぶんだけ原稿料をひいてくれ」とこたえたら、「題名はぜんぶの原稿料のはんぶん」とにがい顔をされた。あーあ、どうにかならないか。
●著者紹介 (たなか・こみまさ)作家、随筆家、翻訳家。
一九二五年東京生まれ。復員後、東京大学文学部哲学科入学。在学中より様々な職業を経験。本格的な作家活動は六七年以降。『香具師の旅』収録の二作品で直木賞を受賞(八一年)。二〇〇〇年死去。銀河叢書既刊『くりかえすけど』(短篇集)
三浦哲郎最後の連作短編
燈火(とうか)
解説:
佐伯一麦
■本体2800円
ISBN978-4-86488-106-7 C0393 四六上製 240頁
文体の鬼、最後の連作短篇集
井伏鱒二や太宰治を経て、三浦文学は新しい私小説世界を切り拓いた。移りゆく現代の生活を研ぎ澄まされた文体で描く、みずみずしい日本語散文の極致。晩年の未完長篇を初書籍化。初出は「一冊の本」。本書は『素顔』の続編に相当する。
★本文より その音を聞いた瞬間、あ、なにかが切れた、と思ったが、鳩尾のあたりに濡れた紐のようなものがあって何者かがそれを左右に引っ張っているとは思えない。これまで、からだのなかで起こるさまざまな音を聞いてきたが、これは初めて耳にする音であった。
●著者紹介 (みうら・てつお)一九三一年青森県生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒。
五五年、「十五歳の周囲」で新潮同人雑誌賞を受けデビュー。六一年、『忍ぶ川』で芥川賞を受賞。著作に『ユタとふしぎな仲間たち』『素顔』『少年讃歌』『白夜を旅する人々』『完本 短篇集モザイク』『師・井伏鱒二の思い出』など多数。