2月の新刊情報
銀河叢書【既刊13冊、第9回配本14冊目】
メタ私小説の超傑作!
赤瀬川原平
レンズの下の聖徳太子
ISBN978-4-86488-116-6 C0393 本体予価3200円
四六判上製 320頁
2017年2月下旬刊
1960年代、青年は「千円札」をアートにした――やがて「千円札裁判」へと至る「読売アンデパンダン」時代を描き、本名(赤瀬川原平)名義で初めて文芸誌に発表した表題作ほか、尾辻克彦名義で78年から95年に発表の超傑作群10編。
初の書籍化。
【収録作(予定)
】
レンズの下の聖徳太子(1978)
意味が散る(1981)
風倉(1981)
果し合い(1981)
山頂の花びら(1982)
サルガッソーの海(1983)
海部(1991)
空罐(1992)
掌とライカM3(1993)
中古カメラ修理ロボット忍者群(1995)
●本文より
●
この模写の作業はレンズでのぞくギザギザのインクのつき加減のそのままをたどるべきか、それともその印刷状態の平均値から推しはかった版の向うの原画の方をたどるべきか。本当の千円札はどこにあるのか。…… (表題作より)
【著者紹介】(あかせがわ・げんぺい)37年生まれ。武蔵野美術学校油絵学科中退。57年、読売アンデパンダン展に初出品。模型千円札による作品を発表し、やがて通貨及証券模造取締法違反被疑事件として起訴される。
79年、尾辻克彦名義による「父が消えた」で芥川賞。その他著作に『新解さんの謎』『老人力』など多数。14年死去。
終活の記 第2弾
竹岡準之助
黄落の夕景 老イテモ春秋アリ
四六版上製 304頁 本体予価2400円
ISBN978-4-86488-115-9 C0095
82歳、一出版人が四季の移ろいに併せて綴る。
生涯フリーランスとしての心得が満載。
【目次より】
早春の挽歌
総括『冥途の土産』
花冷え
旧仮名と旧漢字
回想の早慶戦
高田馬場周辺の今昔
夏競馬で献杯Ⅰ
夏競馬で乾杯Ⅱ
再びの山東省―幻想紀行
父祖の地と卒業七十年
錦繍の秋
年送る