寺山修司 堀江秀史編
ロミイの代辯 寺山修司単行本未収録作品集
ISBN978-4-86488-146-3 C0095¥3800E
A5上製 384頁 2018年4月下旬刊
夜会、レースの手袋、スタンダールの恋愛論、
バァィオレットフィズ、シュトラウス、
みんなくたばれ。
紳士淑女諸君。
ホルモンの景気はどうですかね。
詩歌、散文、写真――没後35年、いまなお響く、そのロマネスク。
発掘資料より46篇。おもに1960年前後の雑誌発表作品より。
本文より
●たとえば私は最近、数字だけで長篇小説をかきました。
「6分の1×3=ルート4.2π+3+3+3」という題で、まあ言ってみれば、ある大家族の中に一人の狂人がいるということがわかり、お互いにお互いを監視しはじめ、変ったことをして自分が気狂いだと思いこまれるのがいやだから、みんな共同で行動し、お互いに似せるように似せるようにして見わけがつかなくなってしまう……というような筋ですが、全部数字でかいてあるために詩誌は全部掲載をことわってきました。
●『傷のない若さの美しさ』ということは一種のナルシシズムということになるでしょう? それがだんだん形を変えてゆくと小さいファッショみたいになるかもしれないということをお感じになりませんか?