梅花の歌。三十二首並びに序
天平二年正月十三日、帥老の宅に萃り、宴会を申べつ。時に初春の令月にして、気淑く風和やかに、……
という、「正月(むつき)立ち春の来らば かくしこそ梅を招(を)きつつ楽しき終へめ」(大伴旅人)の歌から始まる宴席での詠唱の序より、新元号「令和」はとられたと報じられました。
「新春十三日に政庁と筑紫九国二島の官人を帥邸に招き、『梅花の宴』を催す」という知らせを憶良も昨年十一月に受け取っていた。
明けて天平二年元旦の大宰府政庁朝賀の儀は、………
大宰府を舞台に、万葉の二大歌人、山上憶良と大伴旅人の交流を小説にした吉森康夫『筑紫の風 憶良と旅人』ISBN978-4-86488-137-1 に、万葉集のこのシーンも描かれています。
万葉集、現代人にはなかなか理解しがたくても、本書は小説ですので、読みやすく、大伴旅人の時代を知る上でも有意義です。
吉森康夫筑紫の風 憶良と旅人978-4-86488-137-1 C0093 1800円+税-