
《ルリユール叢書》第2回配本 3冊目
フランク・ノリス (高野泰志=訳)
マクティーグ サンフランシスコの物語
予価:本体4,000円+税
予定ページ数:予552頁
四六変形・ソフト上製
ISBN978-4-86488-178-4 C0397
2019年9月下旬刊行予定
突如その男の内側に住む獣が身をもたげ、目を覚ました。ゾラをも凌ぐアメリカ自然主義の、最高の宿命小説。
怪物シュトロハイムに映画『グリード』を
作らせた、ノワール文学の先駆的作品!
「アメリカの文学がヨーロッパを侵略し、支配する時代がついに訪れた。」――ウィリアム・ディーン・ハウエルズ
「もっとも偉大なアメリカ小説を生み出すことを期待されていた男は、いよいよこれから実力を発揮しようというときに死んでしまった。それはフランク・ノリスである。『マクティーグ』ではすでに偉大な小説を書き上げていた。」――シオドア・ドライサー
「マクティーグはユゴーの『笑う男』と同じまなざしを彼女に向ける。獣のなかに本能が目覚める、しかも性の匂いと血の匂いを伴って。」――ジャック・カボー
【著者略歴】フランク・ノリス(Frank Norris 1870-1902)
シカゴ生まれ、西海岸育ちのアメリカの小説家。カリフォルニア大学バークレー校で進化論と出会い、ハーヴァード大学創作科で創作論を学ぶ。『レディ・レティ号のモラン』で作家デビュー。本作で作家として注目される。《小麦三部作》最終作執筆中に病死。同時代のナチュラリズムの作家で、もっとも理論的に小説を考えた作家として知られる。
【訳者紹介】高野泰志(たかの・やすし)
1973年大阪市生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程退学後、同大学で博士号(人間・環境学)取得。現在、九州大学大学院人文科学研究院准教授。専門はアーネスト・ヘミングウェイ。著書に『下半身から読むアメリカ小説』『アーネスト・ヘミングウェイ、神との対話』『引き裂かれた身体――ゆらぎの中のヘミングウェイ文学』(松籟社)などがある。
9月には、
中村桂子小説集
学生たちの牧歌 1967-1968ISBN978-4-86488-177-7 四六判上製 予292頁 本体1800円
も刊行いたします。9月下旬刊。
「催涙ガスにやられ、目を真っ赤にした彼女は持っていたレモンを前歯でカリリと噛んだ。」
デモ、恋、ノンセクトラジカル。すべてを見届けるために無色であろうとしたわたし。