神山睦美終わりなき漱石ISBN978-4-86488-179-1 C0095
¥10000E
四六判上製 1056頁
生成、深化、そして再帰へ。
著者がデビュー以来長年書き継いできた『夏目漱石論―序説』(1980)、『「それから」から「明暗」へ』(1982)、『夏目漱石は思想家である』(2007)、『漱石の俳句・漢詩』(2011)の四冊をベースに、新たに一貫したモティーフのもと読み直し、大幅改稿のうえ論じ直した、神山漱石論の現時点での集大成となる超大作。
小説のみならず、俳句・漢詩さらに『文学論』も含めた、夏目漱石の文学と思想――その全体像を読み解く試み。
【目次(仮)】はじめに
第一部 生成する漱石
第二部 深化しゆく小説
第三部 思想としての漱石
第四部 再帰する『文学論』
第五部 詩人漱石の展開 俳句・漢詩
略伝
略年譜
あとがき
【「あとがき」より】2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故をきっかけに、その文学的・思想的意味を論じた『希望のエートス 3・11以後』を上梓した後、にわかに漱石の『文学論』について論じてみたいという思いに駆られた。文学とは、自然災害に限らない災厄が人間精神に及ぼす力を、言葉で表現するものではないかというのが、そこで考えたことだった。もしかして、漱石は、同じことを『文学論』で考察しようとしたのではないかということに気がついたのである。(……)出来上がってみると、これまで書き続けてきた漱石についての論考や批評・鑑賞が、ここに集約されるのではないかと思われてきた。だが、それを明らかにするためには、改めて読み直し、編集し、書き直すということを行わなければならない。気の遠くなるような作業に思われたが、それによって『文学論』についての論考も初めて実質をあたえられる。そのように考えて、本書は、計画された。
【著者略歴】(かみやま・むつみ)1947年1月、岩手県生まれ。東京大学教養学部教養学科フランス分科卒。文芸評論家。2011年『小林秀雄の昭和』で第2回鮎川信夫賞を受賞。その他の著書に『吉本隆明論考』『思考を鍛える論文入門』『読む力・考える力のレッスン』『二十一世紀の戦争』『大審問官の政治学』『希望のエートス 3・11以後』『サクリファイス』など多数。幻戯書房刊に『日本国憲法と本土決戦 神山睦美評論集』がある。