ルリユール叢書
2020年1月下旬刊
テーオドール・シュトルム 岡本雅克=訳
従弟クリスティアンの家で 他五篇価格:本体価格3900円+税
総ページ数:408頁
四六変形・ソフト上製
ISBN978-4-86488-189-0 C0397
地上の暗さと夜空の暗い深淵との間には、解きがたい謎をはらんで微睡んでいる人間の生が横たわっていた。装幀も確定しています(2020年1月10日追記)。装幀は小沼宏之さん。
抒情から叙事へ――
詩的写実主義の作家シュトルムの転換期を代表する
人間個人の心理に肉迫する表題作のほか、
「三色すみれ」「人形つかいのポーレ」
「森のかたすみ」「静かな音楽家」「荒野の村」
五つの短篇小説を収録。
【著者略歴
】
テーオドール・シュトルム(Theodor Storm 1817–88)
ドイツの抒情詩人、小説家。北ドイツの小都市フーズムに生まれる。キールやベルリンの大学で法学を学び、弁護士となり、法務に従事するかたわら、文筆家として活動を続け、代表作『みずうみ』をはじめ、生涯で六十もの小説を書き、ドイツリアリズム文学の代表的作家に数えられる。舞台を故郷の厳しい自然と市民世界に限定しながら、普遍的な人間的本質を描いたその文学は、郷土文学の最高峰をなす。
【訳者紹介
】岡本雅克(おかもと・まさかつ)
1970年、栃木県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科で博士号(文学)取得。現在、東京工業大学ほか講師。専門はハインリヒ・フォン・クライスト。共著に『エルンテ 〈北〉のゲルマニスティク』(郁文堂、1999)、共訳に『ヘーゲル全集 第19巻』(知泉書館、近刊)がある。