マルティン・ルイス・グスマン 寺尾隆吉=訳
ボスの影予価:本体価格3,600円+税
予定ページ数:360頁
四六変形・ソフト上製
ISBN978-4-86488-206-4 C0397
刊行予定:2020年9月下旬
メキシコで、銃以外の手段で大統領になることはできません。
オクタビオ・パス、カルロス・フエンテス、ホセ・エミリオ・パチェーコらラテンアメリカ文学の巨匠に激賞された政治家・作家マルティン・ルイス・グスマン――
作家みずから体験した1923年の政争、1927年セラーノ暗殺事件を題材に、首都メキシコシティで繰り広げられる、血なまぐさい政権抗争と人間の悲哀を描く〈メキシコ革命小説〉の白眉。本邦初訳。<br>
ローマの歴史家を思わせるほど鮮やかなマルティン・ルイス・グスマンの散文は、一種の古典的透明性を備えている。扱うテーマは残酷だが、彼はそれを落ち着いた揺るぎない筆致で描き出す。
──オクタビオ・パスグスマンは古典的な仕方で内容と形式を融合させようとする。一種の言語的永遠を目指して書いているのだ
。──カルロス・フエンテス
グスマンの作品は革命の失敗と栄光の偉大な記録として残り続けることだろう。
──ホセ・エミリオ・パチェーコメキシコの物語文学全体がマルティン・ルイス・グスマンの作品を起点とする。
──ホセ・レブエルタスマルカム・ラウリーとマルティン・ルイス・グスマンは、それぞれの仕方でアイスキュロスから、ギリシア悲劇から基本指針を学びとった。彼にとってメキシコの事件は、世界の一地方に限定されることのない悲劇的事件だった。
──カルロス・モンテマヨール【著者略歴
】マルティン・ルイス・グスマン(Martín Luis Guzmán 1887–1976)
メキシコ・チワワ生まれの作家。メキシコシティで法学を修めた後、先鋭的知識人グループのアテネオに参加し、ジャーナリズムに従事。メキシコ革命勃発後、1913年にパンチョ・ビジャの北軍に合流、文民として彼の顧問役を務める。革命政権発足後、何度も政争に巻き込まれながらも、自らの理想を貫き、スペインとアメリカ合衆国で二度の亡命生活を余儀なくされる。革命戦争を記録した『鷲と蛇』、政治小説『ボスの影』のほか、回想録『パンチョ・ビジャの思い出』などを残した。
【訳者紹介
】寺尾隆吉(てらお・りゅうきち)
1971年、名古屋市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、学術博士。現在、早稲田大学社会科学総合学術院教授。専門は20世紀のラテンアメリカ小説。著書に『ラテンアメリカ文学入門』(中公新書)、『100人の作家で知る ラテンアメリカ文学ガイドブック』(勉誠出版)など。訳書にホセ・ドノソ『別荘』(現代企画室)、バルガス・ジョサ『水を得た魚』(水声社)など多数。