片山廣子幻想翻訳集
ケルティック・ファンタジー【銀河叢書】
未谷おと 編
ISBN978-4-86488-207-1ISBN978-4-86488-207-1
C0098 ¥4800E
四六上製
416頁
定価(本体4,800円+税)
10月下旬刊
大正期、アイルランド文芸復興運動に日本から連帯した翻訳家・松村みね子(筆名)。
芥川や鷗外が激賞した美しき夢想の徒による、野蛮かつ荘厳な、精霊の息づく世界。
目がさめてみたら夢のなかでさづかつたのがまさしく枕上にあつたといふやうな本に等しい――三島由紀夫
若き天才が熱狂したケルト綺譚『かなしき女王』、一世紀を経て、初の完全再録。
我が世にもつくづくあきぬ海賊の船など来たれ胸さわがしに
単行本初収録
◎「かなしき女王」初出誌版
◎ 漱石初期の雅文体騎士道小説『幻影の盾』現代語訳
◎「カッパのクー」の最初期形態などアイルランド民話
◎ 偽書疑惑で世界に波紋を広げたF・W・ベインの印度物語
●目次ケルト綺譚「かなしき女王」 マクラオド作
海豹
女王スカーアの笑い
最後の晩餐
髪あかきダフウト
魚と蠅の祝日
漁師
精
約束
琴
浅瀬に洗う女
剣のうた
かなしき女王
参考資料●初出誌版(かなしき女王/女王スカーアの笑ひ/一年の夢/海豹/琴
夏目漱石「幻影の盾」 現代語訳
印度風綺譚 ベイン作
闇の精
スリヤカンタ王の恋
青いろの疾風
アイルランド民話
河童のクウさん
主人と家来
鴉、鷲、鱒とお婆さん
ジェミイの冒険
「燈火節」より
北極星
大へび小へび
蝙蝠の歴史
燈火節
古い伝説
四つの市
ミケル祭の聖者
イエスとペテロ
アラン島
王の玄関
鷹の井戸
過去となったアイルランド文学
編者解説
片山廣子(かたやま・ひろこ)
明治11年(1878)外交官・吉田二郎(のちイギリス総領事)の長女として麻布に生まれ、東洋英和女学校予科・本科・高等科を通じて洋式の寮生活を送りながら英語教育を受ける。同校卒業後、佐佐木信綱の門下となり、以後会誌「心の花」に歌、随筆などを発表。21歳のとき片山貞次郎(のち日本銀行理事)と結婚。鈴木大拙夫人ビアトリスの勧めでアイルランド文学に親しみ、大正3年(1914)から始めた翻訳には筆名「松村みね子」を用いる。グレゴリー夫人、バーナード・ショウ、ジョン・シング、イェーツ、ダンセイニ卿などを訳し、その訳文は坪内逍遥、森鷗外、上田敏、菊池寛らの激賞を得た。14歳年少の芥川に慕われたことでも知られ、堀辰雄の小説『聖家族』『楡の家』のモデルとされる。歌集に『翡翠』(大正5年)『野に住みて』(昭和29年)、随筆集『燈火節』(昭和28年、エッセイスト・クラブ賞)がある。昭和32年(1957)没。
編者 未谷(みたに)おと
1975年生まれ。大阪在住。在野のダンセイニ卿研究家として1997年に研究誌「ペガーナロスト」を創刊、現在14号まで刊行し、2002年にはSFファンジン大賞翻訳・紹介部門を受賞。共編に片山廣子『火の後に』(幻戯書房、2017)。編著に私家版『松村みね子訳詩集』(西方猫耳教会、2012)、片山廣子『河童のクゥさん』(西方猫耳教会 2019)。
協力 善渡爾宗衛、杉山淳