装幀が確定しました。装幀は緒方修一さん
銀河叢書
橘 外男予は如何にして文士となりしかISBN978-4-86488-225-5 C0393 ¥3500E
四六判上製 320頁
2021年
8月25日頃9月10日頃 刊行予定 ※刊行が遅れていることお詫び申し上げます。
日本文学史上稀有の国際的スケールと型破りのジャンル混淆的ロマン性によって、再評価されるべき作家・橘外男の、単著未収録を中心に入手困難な作品を3つのテーマで編纂した、3冊連続刊行企画・第2弾 自伝物語編。類い稀なるストーリーテリングと、類人猿(ゴリラ)への異常な執着。
軍人の父に放逐された文学好きの不良少年は、芸妓と出逢い一大改心。貿易商のかたわら小説デビューし、あれよという間に直木賞。しかしその回想はいつも微妙に食い違う……虚々実々に彩られた怪作家の人生を辿る自伝物語篇。(解説=川口則弘)
【目次
】
春の目覚め:学校と家を追い出された外男少年は年上の女性歌人に誘われ……
若かりし時:叔父がトップを務める札幌鉄道局に勤めた外男少年は貧苦のあまり……(「青春の尊かりし頃」「わが青春の遍歴」改題、再録)
懐し金春館時代:関東大震災で焼失した映画館への懐旧……
結婚とは:知人の披露宴で突如祝辞を求められた橘氏は……
予は如何にして文士となりしか:小説家として再デビューするきっかけは……
人生は六十五歳から:若き日にゴリラ言語学の道を諦めた橘先生が立てた老後の生活設計とは……(「人生は常に若く」改題、再録)
資料編(日本書院時代の新聞広告集/有島武郎「『太陽の沈みゆく時』序」/第7回直木賞選評/並木行夫作「小説・橘外男」他)
解説:川口則弘(直木賞研究家)
【著者略歴】
1894年、石川県生まれ。生後すぐ、軍人だった父とともに高崎へ移る。群馬県立(旧制)高崎中学を中退し、札幌の叔父に預けられ、鉄道管理局に勤務(のち業務上横領罪で服役)。その後、貿易商館、医療器械店などに携わる。1922~23年、有島武郎の推輓を受けた『太陽の沈みゆく時』全三巻でデビュー。1936年、『文藝春秋』の実話小説懸賞に「酒場ルーレット紛擾記」が入選し再デビュー。1938年、「ナリン殿下への回想」で第7回直木賞受賞。戦中は満州に渡り、同地で終戦を迎えた後、文筆活動を再開。1959年、死去。主な作品に『艶魔地獄』『陰獣トリステサ』『怪人シプリアノ』『私は前科者である』『私は呪われている』『ある小説家の思い出』など。
●橘外男・銀河叢書続刊予定
7月下旬『燃える地平線』(創作実話編)
9月下旬『皇帝溥儀』(満洲残影編)