
銀河叢書
橘外男皇帝溥儀ISBN978-4-86488-226-2
C0393 ¥3500E
四六判上製 320頁
2021年9月下旬 刊行
橘外男による、単行本未収録を中心に入手困難な作品を3つのテーマで編纂した、3冊連続刊行企画・第三弾 満洲残影篇。
壮絶な引揚体験と焦土の東京が幻視させた、夢想の大殿堂。<br>皇帝溥儀(ラスト・エンペラー)は二人いた? 元宮廷女官が発表した謎の手記をめぐり大胆な綺想を展開した未完長篇(表題作)はじめ、傀儡国家の盛衰に運命を翻弄された人々を描く作品集・満洲残影篇。【目次】皇帝溥儀
灯は国境の町に消え
東條元首相の横顔
大僧正と天使
明けゆく道
【本文註より】「この小説は極めて重大な意義をもっているので、評者をして言わしむるならば誠にすばらしい企画である。今日の日本人の民族感情にピッタリ合致しており、日本人必読の作と称しても決して言いすぎではない。」(初出誌「面白倶楽部」欄外掲載の著者自身による惹句)
【著者略歴】1894年、石川県生まれ。生後すぐ、軍人だった父の転任地・高崎へ。群馬県立高崎中学を中退し、札幌の叔父のもとに預けられ、鉄道管理局に勤務(のち業務上横領罪で服役)。その後、貿易商館、医療機器店など職を転々。1922~23年、有島武郎の推輓を受けた『太陽の沈みゆく時』全三巻でデビュー。1936年、『文藝春秋』の実話募集に「酒場ルーレット紛擾記」が入選し再デビュー。1938年、「ナリン殿下への回想」で第7回直木賞を受賞。戦中は満州に渡り、戦後、文筆活動を再開。1959年、死去。主な作品に『艶魔地獄』『陰獣トリステサ』『怪人シプリアノ』『私は前科者である』『私は呪われている』『ある小説家の思い出』など。

装幀は緒方修一さん。これで3冊完結です。