〈ルリユール叢書〉第31回配本 (43冊目)
アルフレッド・ジャリ 佐原怜=訳
昼と夜 絶対の愛 Les Jours et les Nuits / L’Amour absolu 定価:本体価格3,000円+税
予定ページ数:320頁
四六変形・ソフト上製
ISBN978-4-86488-277-4 C0397
刊行予定:2023年6月下旬
頭はじつに孤独で、じつに丸裸だった。アポリネール、ブルトン、レーモン・クノー、イヨネスコ、ボリス・ヴィアンら20世紀フランスの前衛作家たちに多大な影響を与えた、不条理の作家アルフレッド・ジャリ――兵役体験における生と存在を夢幻的に描く『昼と夜』、催眠術によって新しい世界を創造しようとする『絶対の愛』の小説2篇を収録。
彼がアルコールのせいで死ななかったら、今日では有名な巨匠となり、文学における税関吏ルソーのようなもの以上の存在になっていたであろう。──アルベー
ル・ティボーデ感傷の入り込む隙のないこうした知性の放蕩に没頭できたのはルネサンス時代の人だけだったが、奇跡的なことに、ジャリはこうした至高の放蕩ができた最後の人であった。──
ギヨーム・アポリネール芸術と人生との間に必要なこととして長いこと保たれていた区分に、ワイルドよりもジャリ以降、異議が申し立てられ、その原理において無化されることになるのだと言おう。──
アンドレ・ブルトン【著者略歴】アルフレッド・ジャリ(Alfred Jarry 1873-1907)
フランスの詩人・劇作家・小説家。ロワール地方の町ラヴァルにて生まれる。ブルターニュ地方の町で幼少期を過ごし、大学受験のためパリへ上京。象徴主義の作家たちに出会い、以降、文学の道に進む。マラルメのサロンや、デカダン系作家ラシルド夫人のサロンに出入りするとともに、ポン゠タヴェン派・ナビ派の画家たちとも付き合いを始める。1894年に、象徴主義を極限まで突き詰めたような詩と戯曲とからなる詩文集『砂の刻覚書』でデビュー。1896年、ユビュ親父が「どこでもない国」で王位を奪う戯曲『ユビュ王』を発表。その上演は大スキャンダルを巻き起こした。その他、『訪れる愛』『フォーストロール博士言行録』『メッサリナ』『超男性』などの小説作品を残した。
【訳者紹介】佐原怜(さわら・さとし)
1980年、青森県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学後、ソルボンヌ大学で博士号を取得。現在、千葉大学非常勤講師。専門はアルフレッド・ジャリ。