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ご購入に関するお問い合わせは、メールにて受け付けております。 メール:genki@genki-shobou.co.jp TEL03-5283-3934 幻戯書房刊行の書籍の詳細は小社ホームページをご覧ください。 幻戯書房 (げんきしょぼう)は 歌人で作家の辺見じゅんが、父であり、角川書店の創立者である角川源義の創業の精神を受け継ぎ、設立した出版社です。 ライフログ
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2024年 12月 09日
銀河叢書24冊目 書棚の一隅 西村賢太が愛した短篇 杉山淳 編 本体3400円+税 四六上製 256頁 978-4-86488-315-3 C0393 2025年1月下旬刊 文豪ばかりが作家じゃないことを、いつか教えてもらっていた。 その耽読した作品をめぐる文章や発言をもとに編んだ、明治・大正・昭和の10篇。 西村賢太の文学の軌跡を追体験する、その書架の一隅。 「現今の評論家や小説家風情の恣意的な文学史には一切頼らぬ」 【収録作】 村山槐多「悪魔の舌」……悪食が嵩じて人肉を求める過程の描写の妙は、乱歩だけでなく私のような馬鹿の中卒者をも、確かに唸らせてくれたのである。 倉田啓明「謀反」……散見するところの新味もやくたいもない、その種の“文学史”本中には、書き手の無知から拾い上げることが不可能な作家の一人となっているのだ。 大坪砂男「天狗」……まるでムダな体脂肪と云うものがない。鋼の筋肉のみで構築されたような、他に類のない驚異的な文体である。 松永延造「アリア人の孤独」……『松永延造全集』は、私の貧しい書架――その全集類を並べた棚の一つの、一番いい位置に配している。即ち、最上段の左側に三冊並べている。 葛西善蔵「哀しき父」……凶暴性を孕んだ自虐のユーモアを書かせて、この私小説家の右に出る者は未来永劫絶対にない。 嘉村礒多「足相撲」……これが嘉村の筆になると、さすがにそれらの類のものとは質の異なる、葛西への屈折した呪詛を盛り込んだ私怨漲る不気味な作を発表している。 田中英光「N機関区」「少女」……揃いで三万円程の『全集』を購め、一作ごとにコピーを取り、それを日替わりで常に携えながら、港湾人足に出向く行き帰りの電車内や、作業の昼休み時間中に繰り返し繰り返し読み込んだ。これがその頃の一番楽しい時間でもあった。 北條民雄「いのちの初夜」……人間みな必ず死ぬ運命にある基本的なことを思い出せば、この作にちと疑問を持ってしまう点もまた同様である。 山本周五郎「須磨寺附近」……それは同号創作欄の、泉鏡花や正宗白鳥、近松秋江、里見弴、或いは新進の川端康成や牧野信一ら錚々たる名文家の中にあって、小面憎い程の存在感を放っていた。 各篇著者略歴 村山塊多 むらやま かいた 明治29―大正8年(1896―1919) 神奈川県出身。画家、詩人、小説家。京都府立第一中学卒。ポー、ボードレール、ランボーに心酔、詩や戯曲をつくり、絵を描いた。短い生涯で六編の短篇小説を遺し、いずれの作品も怪奇趣味が色濃く、ロマン主義的傾向が強い。 倉田啓明 くらた けいめい 明治24―?年(1891―?) 武州出身。没年不明。自称、鏑木清方の遠縁。慶應義塾出身者を中心とする三田派の文士として登場。初期は耽美的な作風だったが、谷崎潤一郎の贋作を執筆し、原稿料を詐取した容疑で収監後は大衆小説家として活躍。探偵小説をはじ8めジャンルを横断して執筆活動を行ったが、昭和10年代を最後に消息が途絶える。 大坪砂男 おおつぼ すなお 明治37―昭和40年(1904―65) 東京牛込出身。探偵小説家。江戸川乱歩が『宝石』誌からデビューした香山滋、島田一男、山田風太郎、高木彬光、大坪砂男を評したいわゆる「戦後派五人男」の一人。佐藤春夫の推薦により「天狗」が『宝石』誌に掲載される。文体への徹底したこだわりから、極端な遅筆となり、最後には創作不能状態となった。 松永延造 まつなが えんぞう 明治28―昭和13年(1895―1938) 神奈川県出身。小学校二年で脊椎カリエスとなり、生涯、闘病生活を送る。ドストエフスキーから決定的な影響を受ける。文壇的には孤立しており、生前に大きく評価されることはなかった。代表作は大正11年(1922)刊行のアンチミステリーの傑作『夢を喰う人』。 葛西善蔵 かさい ぜんぞう 明治21-ー昭和3年(1887―1928) 青森県出身。徳田秋声に師事。同人誌『奇蹟』に発表した「哀しき父」が評判となり、作家としてデビュー。寡作なことでも知られ、破滅型文士の典型ともいえる生涯を送った。 嘉村磯多 かむら いそた 明治31―昭和8年(1897―1933) 山口県出身。宗教性と交錯する破滅型私小説の書き手として知られる。葛西善蔵とのかかわりは、新潮社の文芸誌『不同調』の記者を務めていた際、担当編集者になったところから始まる。 田中英光 たなか ひでみつ 大正2―昭和24年(1913―49) 東京赤坂出身。昭和7(1932)年、ロサンゼルスで開催された第10回オリンピック大会に、ボートの日本代表として参加。のちの「オリンポスの果実」の題材となる。太宰治に師事。アルコール依存、薬物中毒に陥りながら、創作活動に従事。デカダンスな生活を送った末、昭和24(1949)年11月3日、三鷹禅林寺の太宰の墓前で自裁。 北條民雄 ほうじょう たみお 大正3―昭和12年(1914―37) 朝鮮京城(現ソウル)出身、徳島で育つ。東村山の全生院入院後、川端康成に師事。川端の仲介で『文学界』に発表した第二作「いのちの初夜」(1936)が評判となる。創作に全身全霊で打ち込む中、結核を病み夭折。川端は北條の死に取材した短篇「寒風」(1941―42)を遺している。 山本周五郎 やまもと しゅうごろう 明治36―昭和42年(1903―67) 山梨県出身。苦労の末、大衆小説家としての地位を不動のものとした。他者を容易に近づけることなく、禁欲的に創作に打ち込む生活を送ったが、大衆に寄り添った作風でも知られる。代表作に『樅ノ木は残った』(1958)等。 編者略歴 杉山淳 すぎやま あつし 昭和48年(1973)―東京生、国文学研究者。単著として『怪奇探偵小説家、西村賢太』(東都我刊我書房 2023)等。共編著多数。
by genkishobou
| 2024-12-09 14:15
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