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ご購入に関するお問い合わせは、メールにて受け付けております。 メール:genki@genki-shobou.co.jp TEL03-5283-3934 幻戯書房刊行の書籍の詳細は小社ホームページをご覧ください。 幻戯書房 (げんきしょぼう)は 歌人で作家の辺見じゅんが、父であり、角川書店の創立者である角川源義の創業の精神を受け継ぎ、設立した出版社です。 ライフログ
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2025年 05月 13日
![]() 〈ルリユール叢書〉第47回配本 (67冊目) ![]() クロード・シモン 芳川泰久=訳 綱渡り 予価:本体価格2,900円+税 予定ページ数:272頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-325-2 C0397 刊行予定:2025年6月下旬 通過する弾(たま)の音を聞きながら、男たちはまるで豚のように意地汚く撃ってくるなと思い、そのとき確実に待っていたのは――この背中がずいぶん広く幻想的なほどにも透過性のあるように感じながら――歩きつづけることからこちらを解放してくれる一撃だった。 画家になることの断念から「新しい小説」を書く作家へとみずからを変貌させた小説家クロード・シモン――作家自身の自画像を描いた〈私小説〉を想起させる自伝的小説にして、文学の前衛運動をいち早く先取りしていた、世界文学最初の〈ヌーヴォー・ロマン〉作品。本邦初訳。 そして出来事とは何か?〔…〕外部からとつぜん起こる出来事〔ローズの死〕じたい、外部からくるのではない、モンテス〔以上、『風』の登場人物〕の内部で先取りされていて、同じように彼の内部でじつに熟していく。それは生起する何かというより、存在しないではいられなかった何かなのだ――「緩慢で容赦のない分娩の最後の言葉」〔『風』〕。以下、『綱渡り』の叫び声を参照。「うめいている声はまるで叫びを装った一節(パッセージ)みたいで」、「〔…〕この秘儀のようなことへの恐怖から女が叫びをあげ〔…〕そうした秘儀は、女の体を用い、さんざんな目にあわせ、これに激しい苦痛を与え〔…〕成し遂げられねばならないことを成し遂げる」――モーリス・メルロ゠ポンティ 【著者略歴】 クロード・シモン(Claude Simon 1913–2005) 1913年、マダガスカル生まれ。満1歳にならないうちに父を、11歳で母を亡くす。1925年、パリのスタニスラス校の寄宿生となり、バカロレア試験をはさんでイギリスで語学研修。パリで絵画を学ぶ。1936年、バルセロナに滞在しスペイン内戦を観察。全国労働者連合(CNT)と連絡を保ち、武器の購入と輸送に協力。1939年、竜騎兵連隊に召集され、捕虜となるも脱走。1945年、『ペテン師』を出版。『風』以降「新しい小説」を書く。代表作に『フランドルへの道』、『農耕詩』など。1985年、ノーベル文学賞を受賞。 【訳者紹介】 芳川泰久(よしかわ・やすひさ) 1951年、埼玉県生まれ。早稲田大学名誉教授。著書に、『闘う小説家 バルザック』(せりか書房)、『謎とき『失われた時を求めて』』(新潮社)、『『ボヴァリー夫人』をごく私的に読む』、『バルザック×テクスト論〈あら皮〉から読む『人間喜劇』』(以上、せりか書房)、『村上春樹とフィクショナルなもの――「地下鉄サリン事件」以降のメタファー物語論』(幻戯書房)ほか多数。訳書にクロード・シモン『農耕詩』(白水社)、『ガリバー』(幻戯書房)、バルザック『サラジーヌ 他三篇』『ゴプセック・毬打つ猫の店』(以上、岩波文庫)、フローベール『ボヴァリー夫人』(新潮文庫)ほか多数。 [訳者解説より〕 本書は、シュルレアリスムの出版で知られるサジテール社から刊行されたクロード・シモンの二作目の小説『綱渡り La Corde raide』(1947)の全訳である。これを読みはじめた当初は、シモンがこんな小説を書いていたのかという新鮮な驚きを強く感じたが、読み終えたとき、二作目ではあるけれど、最初の作品にはその作家のすべてがあるという言葉をつくづく思い返していた。それくらい、本書からシモンの後の小説に太い重要なベクトルが伸びていて、その貴重さに圧倒されたのだった。いや、それだけではない。本書じたいすでにいち早く(ちなみに、ロブ゠グリエの最初の小説『弑逆者』の執筆より二年も早く)、しかも〈ヌーヴォー・ロマン〉を先取りしていて、第二次大戦直後の当時、じつに斬新な小説の書き方を実践しているのだ。そのうえ、〈私小説〉を連想させるほど自身と自身の体験を語り混ぜてもいる。たとえばそこから、画家を目指していたクロード・シモンが小説家になりつつある転成の現場が見えてくるのだが、いったい絵画を描くことがどのように小説を書くことにつながるのか、その連繫をシモンの特徴とともに本書の解説として少しでもあとづけられればと思う。
by genkishobou
| 2025-05-13 10:04
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