小谷野敦ルソーとその妻テレーズ ――共和主義のアダムとイヴ304頁 四六上製 定価(本体3200円+税)
978-4-86488-339-9 C0095
2025年12月下旬刊
他人の「告白」を嫌い、「私小説」を嫌い、
自分では決して「告白」などしない君へ
童貞喪失、人文学史上で黙殺されてきた恋愛不要の結婚、そして死。
ヴォルテールの執拗な攻撃、ヴァラン夫人とドゥドト夫人への想い。
精神分析とポストモダンの泥沼にまみれたルソーを救い出し、
未だ多く残る君主制を廃棄する手がかりとして、その思考を追う。
書き下ろし
鉄と農業が、人類を戦争や不平等に導いた
◇本文より◇すると、ルソーが『告白』を書けば分かってもらえると思ったということ自体が、言語の透明性を信じているということになるので、ポストモダン思想とも、私小説を敵視するテキスト論者とも、ロラン・バルト流「作者の死」の信奉者とも相容れないということになり、八〇年代以後の「文学理論」やポモの流行は、反ルソー的に動いていたということになる。(第五章 ドゥドト夫人との恋愛、哲学者たちとの決別)
●小谷野 敦(こやの あつし)
1962年、茨城県生まれ。作家、比較文学者。東京大学文学部英文科卒業、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。著書に『聖母のいない国』(サントリー学芸賞受賞)『〈男の恋〉の文学史』『もてない男』『江戸幻想批判』『恋愛の昭和史』『谷崎潤一郎伝―堂々たる人生』『川端康成伝―双面の人』『江藤淳と大江健三郎』『純文学とは何か』『歌舞伎に女優がいた時代』等多数。小説集に『悲望』『童貞放浪記』(映画化)『母子寮前』『ヌエのいた家』(以上二点、芥川賞候補)『東十条の女』『蛍日和』(ともに幻戯書房刊)。ほか書き下ろし長編小説に『あっちゃん』(幻戯書房)。p>