ここちよい「たばこのはなし」です。
『けむりの居場所』(野坂昭如・編/幻戯書房 刊)
四六判セミハード/224頁/2006年9月15日配本/定価1,680円(税込)/ISBN4-901998-18-8
●昭和40年からつづく「週刊文春」名物連載「喫煙室」より、32人の“人生の味”●
開高健、市川崑、井上ひさし、杉浦日向子、尾上辰之助、東海林さだお、岩城宏之、藤沢周平、サトウハチロー、今井正、池部良、田中小実昌、中川志郎、池田満寿夫、殿山泰司、吉行淳之介、遠藤周作、滝田ゆう、古井由吉、仰木彬、荒川洋治、三國連太郎、佐藤愛子、鈴木清順、色川武大、中島らも、紀田順一郎、高峰秀子、赤塚不二夫、檀一雄、辻村寿三郎、野坂昭如の奏でる“ゆとり”と“喜怒哀楽の句読点”。
「煙草はまさに人間の営みそのもの。喜怒哀楽、それぞれに煙草がつきまとう。行間から立ちのぼる紫煙を追えば、これぞ至福の時」(野坂昭如)
【企画意図】
増税に嫌煙と、「たばこのみ」は、ますます居心地が悪くなってきました。
マナーの悪い喫煙者は、はなしにもなりませんが、しかしながら、たばことは、ひとつの文化、といってもいいほど、文学や映画、すなわち芸術に「艶」を加味する、含蓄あるツールではなかったでしょうか。また、人は誰でも、ひとつくらい、おじいさんの背中、おとうさんの背広に滲んだ、たばこの思い出があるはずです。
本書は、愛煙家の読者にも、嫌煙家の読者にも、憧れや郷愁を誘うような、そんなタバコにまつわる素敵な文章に出会ってほしいという想いから、発案された企画です。
サラリと、その《文化のひとつ》に、読者のかたに触れてほしいのです。
たばこに対する理解を深め、その素敵な文化を、感じてほしいのです。
「たばこ」にまつわる名人のエッセイを厳選し、アンソロジーとして纏めました。
本書を読んで、頭を休め「一服」していただけましたら幸いです。
