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ご購入に関するお問い合わせは、メールにて受け付けております。 メール:genki@genki-shobou.co.jp TEL03-5283-3934 幻戯書房刊行の書籍の詳細は小社ホームページをご覧ください。 幻戯書房 (げんきしょぼう)は 歌人で作家の辺見じゅんが、父であり、角川書店の創立者である角川源義の創業の精神を受け継ぎ、設立した出版社です。 ライフログ
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2023年 09月 12日
米山 優
精読 アラン『心の冒険』 ![]() 装幀は小沼宏之さん 予価:本体価格6,000円+税 予定ページ数:632頁 四六上製 ISBN978-4-86488-286-6 C1011 刊行予定:2023年10月下旬 「私は一覧表が欲しいわけでも、一つの体系が欲しいわけでもない。私は多くの考察から始めたい。たとえそれら〔考察〕が整合的でなくても、それらは三重の鎧をまとったこの人間の心というものをすべての側面から攻略してくれるだろう。」 人はいかにして、身体を用いて、心の冒険をしているのか? アランが最後にたどり着いた 「プロポ」の先の、哲学の思索 〈労働〉〈倦怠〉〈羨望〉〈野心の初段階〉〈気分〉〈愛の情動〉〈永遠なもの〉……人間の心の諸冒険の動きに寄り添い、考察する38章の哲学レッスン。『アラン『定義集』講義』の著者による翻訳+解説の日本語版オリジナルで送る、アラン晩年の哲学思想の集大成! ●著訳者略歴 米山優(よねやま・まさる) 1952年東京生まれ。1981年東京大学大学院人文科学研究科単位取得退学。名古屋大学名誉教授。著書に『モナドロジーの美学──ライプニッツ/西田幾多郎/アラン』(名古屋大学出版会)、『アラン『定義集』講義』(幻戯書房)など。訳書に、ライプニッツ『人間知性新論』(みすず書房)など。 #
by genkishobou
| 2023-09-12 14:30
| 新刊情報
2023年 08月 14日
![]() 「雪女」、百年の伝承 辺見じゅん・木下順二・鈴木サツ・松谷みよ子・そしてハーン 2023年9月下旬刊 978-4-86488-283-5 C0095 四六判上製 256頁 本体2800円 雪女伝説はラフカディオ・ハーン『怪談』から生まれた。 わずか100年あまりの「民話」の変遷を、ハーン研究者が丹念に辿る。 「雪女」は、本来、英語圏読者のために英語で創作された近代的な短編小説だったのだが、いくつかの翻訳と翻案を経るうちに、いつしか日本固有の伝説として地方に根づき、口碑として語りつがれ、ついには、昔話・民話として人々の間に記憶されるようになった。その、言語・ジャンル・メディアの境界を横断するさまは、二十世紀という越境の時代にあっても異様に感じられるのだが、…… (本文より) 目次 はじめに 一 白馬岳の雪女伝説の誕生 「データベース」のなかの「雪女」/白馬岳の雪女伝説はハーンの「雪女」に由来する/民俗学の流行、山の伝説さがし/引き写された本邦初訳の『怪談』/バレット文庫の「雪女」草稿では/いたずら者の青木記者/「雪女」、アイヌ伝説になる/物語は地名をもとめ、地名は物語に魔力を与える/阿寒湖、疑惑のマリモ伝説の作者は? /巌谷小波にひろわれた「白馬岳の雪女」/北安曇に出た「雪女郎」の正体 二 松谷みよ子と童話「雪女」 民話を「書きたい」「読みたい」という情熱/都市芸術としての「民話」/『夕鶴』との、まわりくどい因縁話/民話「雪女」をハーンに「戻し交配」する/情話から童話への変換/増殖する「雪女」と消された足跡/禁じられた『怪談』と小さな崇拝/『怪談』の児童文学化/一九五〇年代の「幽霊・妖怪ルネッサンス」/『怪談』、国語教科書へ 三 民話「雪女」からハーンを逆照射する レヴィ=ストロースの構造主義と日本の異類婚姻譚/巳之吉の奪われた視線/母と子の魔法圏/母子神話と父子神話/「雪女」、その悲しみの正体 四 「雪女」、遠野の物語になる1 鈴木サッと失われた方言世界の復元 「雪女」、方言を獲得する/町の雪女、村の雪女(福島)/雪女の恩返し(栃木)/山姥になった雪女(山梨)/「銀山平の雪女」(新潟)―戦時体制への順応/「雪女(ゆきおなご)の話」(遠野)/父、力松の膝の上で/遠野の「雪女」の来歴/失われた言語空間への遡行―愛する人の物語を追って 五 木下順二とハーンの消えた関係l 歌舞伎『雪女』の世界 木下順二の沈黙/「雪女」と『夕鶴』、三つの類似点/歌舞伎『雪女』執筆の経緯/『雪女―歌舞伎俳優のために—』のあらすじ/原拠と失敗原因/先師、同志そしてライバルとして 六 辺見じゅんの「富山十六人谷伝説」 「人に息を吹きかけ殺す」モチーフと「雪女」/「まんが日本昔ばなし」の「十六人谷伝説」/「黒部山中のこと」(『肯搆泉達録』より)/青木純二「十六人谷」(黒部渓谷)/『山への味到』と『ある山男の話』/「十二組の坂」(富山県宮崎村)/秋田の「三十人小屋場」伝説/「雪女」の白い姉妹/アンデルセンの『雪の女王』/C・S・ルイスの「白い魔女」そしてギリシア神話/鎮魂と慰霊の語り手、辺見じゅん/辺見じゅんの「十六人谷」/子供たちの記憶に刻印されたこと/民話と創造/「十六人谷」に「雪女」を接ぎ木する/東京都檜原村の「大きな柳の木」―マルチメディアの時代の民話の伝承/民話化する「雪女」/「雪女」化する民話/創出される伝統 七 「雪女」はなぜ越境するのか 補遣 テキストと注解 取り上げるテキスト/誤訳の源流―高濱長江訳「雪女」/青木純二「雪女(白馬岳)」/巖谷小波「白馬岳の雪女」/小柴直矩「煙と消えた雪女」/村沢武夫「雪女郎の正体」/なぜ「雪女」は越境するのか 遠田勝(とおだ• まさる) 1955年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科(比較文学比較文化修士課程)修了。神戸大学大学院国際文化学研究科教授を経て神戸大学名誉教授。 専門は英米文学、比較文学。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)研究を中心に、明治期のジャパノロジー、外国人の見た神道、近代の「民話」などに関する著書、訳書、論文多数。 主な著書に『小泉八雲 回想と研究』(共著 講談社学術文庫)、『世界の中のラフカディオ・ハーン』(共著 河出書房新社)、『小泉八雲事典』(共著 恒文社)、『〈転生〉する物語―小泉八雲と「怪談」の世界』(新曜社)などがある。 #
by genkishobou
| 2023-08-14 11:37
| 新刊情報
2023年 08月 14日
![]() 装幀は小沼宏之さん ![]() 〈ルリユール叢書〉第34回配本 (48冊目) ガブリエル・マルセル Gabriel Marcel 古川正樹=訳 稜線の路 Le Chemin de crête 予価:本体価格3,500円+税 予定ページ数:336頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-284-2 C0397 刊行予定:2023年9月下旬 人間に潜む根源的欺瞞を暴き出し、非現実を現実に変えてしまう秩序転倒の現代を告発し、在るべき世界秩序を啓示する――『形而上学日記』の哲学者・劇作家ガブリエル・マルセルの哲学思想を先導する〈筋書きの無い演劇〉にして、マルセル戯曲作品の頂点を極めた全四幕の悲劇。本邦初訳。 私たちから取り上げられた良きものは、単に私たちに不足しているものではないのです。それら良きものは、私たちの内に在るのです。ただ、裏返された影として、夜の状態にある荒れ果てた力として…… 他処と同様、哲学においても、本物だけが持続する。だからこそ、モンテーニュ、パスカル、メーヌ・ド・ビランのように、ガブリエル・マルセルが常に読者をもつことは保証されているのである。かれの作品においては、人間が直接に人間に語りかける。すなわち、かれは新たな友を自分につくることをけっしてやめないゆえに、かれの作品は常に読者をもつことだろう。 ――エティエンヌ・ジルソン あなたの演劇が、まさしく、健全化のはたらき、浄化のはたらきをなすのは、あなたの演劇が全然護教的でないからです。私が大変おどろかされるのは、『恩寵』、『砂の宮殿』のような戯曲、そして後には、『神の人』、『葬儀前の礼拝堂』、『偶像破壊者』のような戯曲において、悲劇は、人物たちの間で何も解決されていないところに成り立っている、ということです。 ――ポール・リクール この哲学者を、劇作家または音楽家としての彼から切り離すのは正しくない。そこには分離することのできない一つの全体としての有機体がある。かくの如きが、おそらく、強靭な永続すべき運命をもった思想の特徴なのだ。 ――ジャック・ド・ブルボン゠ビュセ ガブリエル・マルセルは、哲学者たらんと欲したのでもなく、音楽家たらんと欲したのでもなく、ただ自らに誠実に生きようとした人である。彼にあっては日々の生と省察の哲学が一つであった。「呼吸するように」哲学した人であった。 ――服部英二 【著者略歴】 ガブリエル・マルセル(Gabriel Marcel 1889–1973) フランスの哲学者・劇作家。パリに生まれる。6、7歳で劇作を試みた。十代半ばには音楽を、やがて哲学を志してソルボンヌ大学に入学。21歳で教授資格論文「シェリング哲学との関係におけるコールリッジの形而上学的諸理念」により合格した後、保養先の英国で交霊術にも深い関心を懐く。若年時からの知的・人間的素地、経験や関心に基づき、愛の問題を中心とする独創的な哲学的反省を展開しつづけた。カトリックとなるも教義とは無縁で傍観的な立場に留まった。 【訳者紹介】 古川正樹(ふるかわ・まさき) 1957年11月、鹿児島県に生まれる。鹿児島県立鶴丸高等学校卒業。仏語論文「メーヌ・ド・ビランにおける哲学と宗教」により、パリ゠ソルボンヌ大学哲学博士(成績mention très honorable)取得。鹿児島大学・早稲田大学講師等を務める。著書に、彫刻家高田博厚が大画家ジョルジュ・ルオーの軌跡に即して述べた深い人間思想を初めて本格的に論じた『形而上的アンティミスム序説――高田博厚による自己愛の存在論』(舷燈社、2009年)がある。 #
by genkishobou
| 2023-08-14 11:19
| 新刊情報
2023年 07月 14日
![]() ![]() 表表紙(表1:左)は小村雪岱、裏表紙(表4:右)は小村雪岱) ![]() 邦枝完二 著 小村雪岱 画 江戸役者 東京日日新聞夕刊連載版 真田幸治 編 四六判上製 288P ISBN978-4-86488-282-8 C0093 本体予価3,600円 「河原者たア誰を指した。江戸随一の團十郎だ。てめえの眼は節穴だな。」 邦枝がいざない、雪岱が開眼した江戸風情の世界。 八代目市川團十郎を軸に描く人間模様。 『おせん』に先立つ一年前の、記念碑的作品。 単行本初収録の挿絵70点を完全復刻。 2022年、京都で、『江戸役者』の挿絵原画が全揃で見つかった。雪岱再評価の機運が高まるなか、91年の時を経て、雪岱と邦枝が初めてコンビを組んだその新聞連載小説が、新漢字・新仮名遣いでよみがえる―― ![]() 「みんな手前への御贔屓が積り積って、ちっとでも余計に、成田屋を可愛がってやろうとの、有難い思し召しに相違ござんすまい。しかし團十郎は、どなた様お一人のものでもなく、この広い江戸においでなさる、皆様の團十郎でございます。」(本文より) ![]() ![]() 邦枝完二 くにえだ・かんじ 明治25年(1892)、東京市麴町区生まれ。慶應義塾予科に入学。永井荷風に私淑し、『三田文学』に小説などを発表した。時事新報社や帝国劇場文芸部を経て、作家として独立。新聞連載小説の「東洲斎写楽」(1928)、「歌麿」(1931)、「江戸役者」(1932)、「おせん」(1933)など、江戸情緒あるれる浮世絵的な作品で、作家としての地位を確立した。昭和31年(1956)歿 小村雪岱 こむら・せったい 明治20年(1887) 埼玉県川越町生まれ。明治41年(1908)、東京美術学校日本画科選科卒業。大正三年(1914)、泉鏡花『日本橋』の装幀でデビューし、以後、装幀家や舞台装置家、挿絵画家として活躍する。特に邦枝完二とコンビを組んだ髷物、昭和8年(1933)の「おせん」を筆頭に、「江戸役者」(1932)や「お伝地獄」(1934-35)、「喧嘩鳶」(1938-39)など、〈雪岱調〉の新聞連載小説の挿絵は現在も高く評価されている。昭和15年(1940)年歿。 真田幸治 さなだ・こうじ 昭和47年(1972)、神奈川県横浜市生まれ。平成8年(1996)、日本大学芸術学部美術学科卒業。装幀家。小村雪岱研究をライフワークとしている。雪岱や、雪岱が在籍していた資生堂意匠部、資生堂書体の論文を発表。編著に『小村雪岱随筆集』、『小村雪岱挿絵集』(いずれも幻戯書房、2018)。展覧会「複製芸術家 小村雪岱―装幀と挿絵に見る二つの精華」(日比谷図書文化館、2021)で監修を務める。 #
by genkishobou
| 2023-07-14 16:59
| 新刊情報
2023年 07月 12日
![]() 〈ルリユール叢書〉第33回配本 (46冊目・47冊目) フリードリヒ・シラー シラー戯曲傑作選 メアリー・ステュアート Schillers ausgewählte Dramen. Maria Stuart 津﨑正行=訳 シラー戯曲傑作選 ドン・カルロス スペインの王子 Schillers ausgewählte Dramen. Don Karlos, Infant von Spanien 青木敦子=訳 8月下旬に2点同時刊行いたします。 14世紀のスイスの民衆蜂起を題材にした『ヴィルヘルム・テル』(既刊)ともに、ご購読ください(ウィリアム・テルが息子の頭上のリンゴを射抜いた話は知られていても、その背景は、ほとんど知られていないのではないでしょうか。) 【著者略歴】 フリードリヒ・シラー(Friedrich Schiller 1759–1805)ドイツの作家、思想家。ゲーテと並ぶドイツ・ヴァイマル古典主義の代表的人物。一七八一年、戯曲『群盗』でデビュー。1788年に上梓した『オランダ独立戦争史』によりイェーナ大学歴史学教授として招聘される。1790年代にはカント研究の成果として『カリアス書簡』、『人間の美的教育について』などを出版し、美学者としても思想史に名を残した。1794年から始まったゲーテとの交流は、後期の詩作品や戯曲にも影響を与え、シラーの歿年まで続いた往復書簡は千通にも及んだ。 【メアリー・ステュアート】 ![]() 予価:本体価格3,900円+税 予定ページ数:408頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-280-4 C0397 儚いこの世と無窮のあの世が入れかわるときには、その変化は、一度にして、瞬きする間もないほど素早く、生じるよりほかないものなのです。奥方さまも、神さまのおかげをもちまして、あの一瞬にして、毅然たるご態度で、この世での希望を退け、信仰にあふれるその御手で、天国をつかまれたのです。 16世紀のスコットランド女王メアリーの生涯の〈最後の三日間〉を舞台に、カトリック対プロテスタントの宗教・政治的対立を描いて波紋を呼んだシラーの歴史劇。メアリーの「精神的自由」という理念のドラマを、古典主義規範によって理性と感性の調和として厳密に構成した、全五幕の傑作悲劇。 私の見るところ、『メアリー・ステュアート』はドイツにおけるすべての悲劇のなかで、もっとも感動的で、もっとも厳密に構成されたものである。生まれながらにしてあれほどの幸福を約束されていたのに、数多の過ちゆえにその幸福を失ってしまい、19年間にもおよぶ監禁生活のすえに、ついには断頭台の露と消えたこの女王の運命が呼び起こす恐怖や同情は、オイディプスやオレステスやニオベに勝るとも劣らない。 ――スタール夫人 二人の女王がついに対面して争う場面では、シラーはその作品に往々にして見られる、人間関係をいささか熱狂的にとらえすぎてしまう傾向に陥ることなく、比類なき真実らしさと自然らしさによって、そこにまさに生きているようなイメージを私たちに見せてくれている。二人の女王はたがいに対する嫉妬で感情を高ぶらせるあまり、自分の地位のことも王位のことも忘れて罵り合い、何をはばかることもなく、ただひたすらに個人的なあてこすりに腐心するのである。 ――クリスティアン・ディートリヒ・グラッべ 人間がそこに身をおいて行動しなければならない世界は、シラーにおいてはつねに、無慈悲で、陰謀がはりめぐらされた政治的-歴史的な迷宮であり、ここで見出されるのは、苦痛、喪失、意味の欠落、無益、メカニズム、パラドックスである。すなわち、それは「バロック的」な悲哀を呼び起こす世界なのである。 ――ハンス゠ティース・レーマン 【訳者紹介】津﨑正行(つざき・まさゆき)1973年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。慶應義塾大学、東京理科大学、東京藝術大学非常勤講師。近代ドイツ演劇を専攻。訳書にベルトルト・ブレヒト『ファッツァー』、エルフリーデ・イェリネク『スポーツ劇』、ヨッヘン・へーリッシュ『メディアの歴史』(共訳)など。 【ドン・カルロス】 ![]() 予価:本体価格5,200円+税 予定ページ数:544頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-281-1 C0397 息子が母親に恋する。世間のしきたりが、自然の秩序が、ローマの法律がこの恋を弾劾するだろう。僕の望むものは父上の当然の権利と真っ向から対立する。わかっているが、それでも好きなのだ。 「太陽の沈まぬ国」と謳われたフェリペ二世治下の盛期スペイン。王妃への秘密の恋に悩む王子ドン・カルロス、自由の国家の実現を目指すポーザ侯爵に、陰謀と策略をめぐらす宮廷の人々を交えて、友情劇、恋愛劇、政治劇が繰り広げられる。前期シラーの自由概念の到達点となった、全五幕の長大な歴史悲劇。 『ドン・カルロス』、この誇らしい詩によって15歳の私に呼び覚まされた、初めての言葉への熱狂を、どうして忘れることができましょう。 ――トーマス・マン シラーの理想的な文体の最初の戯曲が『ドン・カルロス』である。 ――ヤーコプ・ブルクハルト およそドイツ語で書く詩人で、シラーほどその生と創造において明瞭確固たる人はないように思われる。それでいてまた、われわれがより鋭い目で捉えようとするや、その存在を多様の中の統一として説明し解釈するのに、シラーほど困難な人もない。 ――エーミール・シュタイガー 『ドン・カルロス』でもシラーは、世界市民的な見解と根深く偏狭な国家的見解とのかけ離れた違いを表現した。 ――ヴィルヘルム・フンボルト 【訳者紹介】 青木敦子(あおき・あつこ) 1957年、熊本県生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科卒。学習院大学大学院博士課程修了。文学博士(名古屋大学)。現在、学習院大学および明治大学の非常勤講師。著書に『シラーの「非」劇――アナロギアのアポリアと認識論的切断』(哲学書房)、『影像の詩学――シラー「ヴァレンシュタイン」と一義性の思考』(月曜社)。訳書に『シラー詩集 第1部・第2部』(月曜社)。 #
by genkishobou
| 2023-07-12 11:32
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