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ご購入に関するお問い合わせは、メールにて受け付けております。 メール:genki@genki-shobou.co.jp TEL03-5283-3934 幻戯書房刊行の書籍の詳細は小社ホームページをご覧ください。 幻戯書房 (げんきしょぼう)は 歌人で作家の辺見じゅんが、父であり、角川書店の創立者である角川源義の創業の精神を受け継ぎ、設立した出版社です。 ライフログ
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2024年 07月 05日
〈ルリユール叢書〉第39回配本 (56・57冊目) ポール・ヴァレリー 鳥山定嗣=訳 メランジュ 詩と散文 ブラニスラヴ・ヌシッチ 奥彩子・田中一生=訳 不審人物 故人 自叙伝 ポール・ヴァレリー 鳥山定嗣=訳 メランジュ 詩と散文/ 予価:本体価格3,600円+税 予定ページ数:352頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-304-7 C0398 刊行予定:2024年8月下旬 時により 無邪気 非常識 愛想よし 変わり者 蠅一匹の奴隷ともなれば 法律の主人ともなる 精神とはまさにこの混淆(メランジュ) そのもつれから絶え間なく 私(モワ)が身を解き放つ 定型韻文詩、自由韻文詩、自由詩、散文、散文詩を混在させ、挿絵とテクストを混淆させた詩人ヴァレリーの精神としての書物――「雑纂」「断章」の文学ジャンルの系譜を、新たな書法(エクリチュール)で切り開く〈散文と詩の混淆(メランジュ)〉。ヴァレリー自身の手による銅版画挿絵入り初版本新訳の決定版。 ヴァレリーはなによりもまず肉感的な詩人であり、彼の芸術には肉感的な注意力がみなぎっている。その精神は肉体に注意深く、肉体を皮膚的意識のようなもので覆っている。 ――ポール・クローデル 私はひとりでした。私は待っていました。私の作品のすべてが待っていました。ある日、私はヴァレリーを読んだのです。もう待つことは終わった、と思いました。 ――ライナー・マリーア・リルケ ヴァレリーは自分の詩句を貴重なワインのように味わい、私たちにも味わわせる。彼がそれを自分の唇に、また私たちの唇に通すときにおぼえる悦びのすべてが感じられる。言葉の意味を越えて、その詩句は絶妙な一体をなしている。それは音の妙薬だ。 ――ジュール・シュぺルヴィエル ヴァレリーは哲学者と呼ばれてきた。が、哲学者とは通常、哲学的なシステムを構築したり補強したりする人のことだ。この意味では、ヴァレリーは哲学者になるにはあまりにも知的であった〔…〕そのような仕方で哲学するにはあまりにも意識的でありすぎた。 ――T・S・エリオット 私はヴァレリーのうちにヨーロッパの最も完璧な象徴を見ていた。 ――ヴィクトリア・オカンポ 【著者略歴】 ポール・ヴァレリー(Paul Valéry 1871–1945) フランスの詩人・批評家。南仏の港町セットに生まれ、若き日にルイスやジッドと出会い、モンペリエ大学法学部を卒業後パリに上京。マラルメに親炙する。1892年「ジェノヴァの夜」に象徴される青年期危機を経て文学放棄を決意。「テスト氏との一夜」発表後、長きにわたる沈黙期に入る。1917年『若きパルク』とともに詩作復帰して以後、『魅惑』や『ユーパリノス』などを相次いで発表。後半生は、アカデミー・フランセーズ会員、国際知的協力委員会フランス代表を歴任するとともにコレージュ・ド・フランスで「詩学」講座を担当するなど幅広く活躍した。 【訳者略歴】 鳥山定嗣(とりやま・ていじ) 1981年、愛知県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学後、同研究科で博士号(文学)取得。現在、京都大学大学院准教授。専門はポール・ヴァレリー。著書に『ヴァレリーの『旧詩帖』――初期詩篇の改変から詩的自伝へ』、共編著に『愛のディスクール――ヴァレリー「恋愛書簡」の詩学』、共訳書にミシェル・ジャルティ『評伝ポール・ヴァレリー』(以上、水声社)、クリスチャン・ドゥメ『三つの庵――ソロー、パティニール、芭蕉』(幻戯書房)がある。 ブラニスラヴ・ヌシッチ 奥彩子・田中一生=訳 不審人物 故人 自叙伝 予価:本体価格 予定ページ数:408頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-305-4 C0397 刊行予定:2024年8月下旬 「お前はもう死んでいる、死んでいる、さあ、証明してやろう。第一に、お前は生きていない……」「だが生きとるんです。」 激動の時代のバルカンで、諷刺と喜劇で鋭い批判精神をふるった作家ブラニスラヴ・ヌシッチ――官僚制度を揶揄するゴーゴリものの喜劇『不審人物』、姓とアイデンティティの関係を問う晩年作の喜劇『故人』の本邦初訳二篇と、作家の人生喜劇を綴った「自叙伝」を収録。 たしかに、本作〔『故人』〕に登場する人物には共感できる者はいない。たとえば一方的な被害者であるはずのマリッチには、真実に直面する勇気がない。修羅場を避けて現実逃避をし、偶然を利用して、卑劣な人びとに自分は死んだと思わせる。〔…〕だが、それにしても、スパソィエのように、嘘を嘘で塗り固めていけば「真実」にできるという人物は、いつの世にでも存在するものだろうか。少なくとも、二十一世紀を生きる私たちは、そうした人物が、戯曲のなかだけではなく、現実に存在することをよく知っている。――「訳者解題」より 【著者略歴】 ブラニスラヴ・ヌシッチ(Бранислав Нушић 1864–1938) セルビア(旧ユーゴスラヴィア)の作家。ベオグラードの商家に生まれる。スメデレヴォの小学校、中学校、ベオグラードのギムナジウムを経て、ベオグラードの大学校の法学部を卒業。その間、1885年にセルビア゠ブルガリア戦争に義勇兵として参戦したが、卒業後まもない87年、反王朝的な風刺詩を著して投獄される。のちに外交官となり、オスマン帝国支配下のビトラ、プリシュティナ、テッサロニキの領事館に勤めた。その後教育省に移り、1900年ベオグラード国立劇場の支配人に転出。劇場との結びつきは生涯続き、ノヴィ・サド、スコピエ、サライェヴォ各劇場の支配人に就任した。1933年にはセルビア王立アカデミー会員に選出された。 【訳者略歴】 奥彩子(おく・あやこ) 共立女子大学教授。専門はユーゴスラヴィア文学。著書に、『境界の作家ダニロ・キシュ』(松籟社)、共著に、『東欧の想像力』、『世界の文学、文学の世界』、(以上、松籟社)、『世界文学アンソロジー――いまからはじめる』(三省堂)、翻訳にダニロ・キシュ『砂時計』(松籟社)、ドゥブラヴカ・ウグレシッチ『きつね』(白水社)、共訳に、デイヴィッド・ダムロッシュ『世界文学とは何か』(国書刊行会)など。 田中一生(たなか・かずお) 1935年、北海道生まれ、2007年東京歿。早稲田大学露文科を卒業後、ベオグラード大学に留学、ビザンチン美術およびユーゴスラビア文学を研究(1962‐67)。訳書に、ウィンテルハルテル『チトー伝』(徳間書店)、クレキッチ『中世都市ドゥブロヴニク』(彩流社)、アンドリッチ『ゴヤとの対話』『サラエボの女』(恒文社)、『イェレナ、いない女 他十三篇』(共訳、幻戯書房)シュチェパノビッチ『土に還る』(恒文社)、カラジッチ『ユーゴスラビアの民話Ⅰ』(共訳、恒文社)、ペタル二世ペトロビッチ゠ニェゴシュ『山の花環 小宇宙の光』(共訳、幻戯書房)など。 #
by genkishobou
| 2024-07-05 11:33
| 新刊情報
2024年 05月 16日
装画は雨依はるとさん 日原雄一 編著 少年愛宣言 令和にかがやく天使たち ISBN978-4-86488-300-9 C0095 本体2400円 四六上製 216頁 少年愛者でパンセクシャルの精神科医が 美少年を愛するがゆえの苦しみを解き放つ 自作小説・エッセイ 美少年「みこいす」の写真 雨依はると・村祖俊一のコミック 須永朝彦の短歌 著者紹介 日原雄一(ひはら・ゆういち) 1989年6月東京生まれ。暁星高校および帝京大学医学部卒業後、帝京大学医学部附属溝口病院で初期研修ののち溝口病院精神科に入局。自殺予防のスペシャリスト張賢徳先生のもとで学ぶ。日本総合病院精神医学会で「精神科初診患者の自己診断に関する検討」を発表。精神科初診患者が話す自己診断はおおむね正しいことを述べた。2022年4月からは東横惠愛病院に勤務。2010年「落語協会落語台本コンテスト」に「兄さんのケータイ」(三遊亭白鳥・演)で優秀賞、その他受賞歴多数。2011年より「トーキングヘッズ叢書」に「うろんな少年たち」「私が愛したマジキチ少年アラカルト」「生き延びるための逃走術 世界から、自分から」などといった漫文を書く。著書に『落語は生に限る! 偏愛的落語会鑑賞録』(彩流社)、『生き延びるための逃走術 腐男子精神科医の妄想メンタル科』(三一書房)、『腐男子精神科医の人生ウラ道ガイド』(彩流社)、『死にたさの虫が鳴いている』(幻戯書房)などがある。 #
by genkishobou
| 2024-05-16 17:38
| 新刊情報
2024年 05月 16日
小谷野敦 あっちゃん ある幼年時代 978-4-86488-303-0 C0093 四六上製 352頁 予価2900円 7月上旬刊 私は自分の人生の半分以上はテレビだった人間だから、それをあえて書くことにする。書き下ろし長篇私小説。 1960年代後半から1970年代前半にかけて、「ファイトだ‼ピュー太」「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」『新八犬伝』等々、夢中になった番組のこと、ADHD、好みの女子、小児性欲の記憶を、生まれ育った町、茨城・水海道と埼玉・越谷を背景にたどる自伝の試み。 #
by genkishobou
| 2024-05-16 17:30
| 新刊情報
2024年 05月 16日
ポンペイ最後の日 〈上・下〉 予価:〈上巻〉本体価格4,000円+税/〈下巻〉本体価格4,000円+税 予定ページ数:〈上巻〉424頁/〈下巻〉372頁 四六変形・ソフト上製 〈上巻〉ISBN978-4-86488-301-6 C0397 〈下巻〉ISBN978-4-86488-302-3 C0397 刊行予定:〈上巻〉2024年6月下旬/〈下巻〉2024年7月下旬 ヴェスヴィオ山爆発で壊滅したポンペイを舞台に、ギリシアの美女をめぐる青年貴族とエジプト人魔術師の対決を軸に、遺跡発掘調査に基づき、当時のローマ文化と風俗、退廃的な文化と生活を描く波乱万丈の歴史小説。ヴィクトリア時代にゴシック小説を復活させたブルワー゠リットンの、一大恐怖絵巻がくり広げられる不朽の名作の完訳。 数々の映画化で世界的に有名な小説であり、娯楽作品でありながら、人間の諸問題をあつかう大作。 巨大な円形闘技場には石造りの座席が段々にせりあがっていて…うっすらと不気味な霧が立ちのぼり、しだいに濃く、暗さを増し…まばらな木々の葉におおいかぶさるように立ち籠めていた。この街は…現在そこを訪れる者の目には〈死者の都市〉のように見えるのだが、十七世紀前のこのとき、すでに〈死者の都市〉の相貌をあらわしていた。 この作品に匹敵するような作品がこれまで書かれたことがあるだろうか。レンブラントの筆でさえ、光と影を使って、これほどまでに真に迫る破滅的な効果をうみだすことはなかった。――「エグザミナー」誌『ポンペイ最後の日』評 これほどみごとでおもしろいフィクションは、これまでなかった。『ポンペイ最後の日』! いまとなっては、もう二度とポンペイに最後の日はやってこないだろう。きみ[ブルワー]は博学な研究者以上のことをなし遂げた。わたしたちは好きなときに、この町に入って行ける。盲目の花売り娘のあとを追いながら、町を縫って進むことができる。それに、剣闘士といっしょに居酒屋に入り、アマゾネスを見ることができるのだ。わたしはぶるぶる震えながら、自然のとてつもない惨事を目撃した。そして、魔法使いたちをじっと見ているうちに、まぼろしに圧倒されてしまった――気がつくと、再び、ひとりで肘掛け椅子にすわっていて、胸をなでおろした。――アイザック・ディズレーリ 創造的な芸術家として、ブルワーが偉大な芸術家であるのは議論の余地がない。この点において、彼の作品は同時代の作家、あるいはほとんど[あらゆる時代]の作家の作品を凌駕している。…彼は実にみごとなまでに作品の構想を自家薬籠中のものとし、登場人物と事件を生き生きと描きながら、からみあったプロットをいともやすやすと巧みに発展させる。彼はあらゆる素材をうまく使い……みずからの力をひとつの結末に集中させるのである。――「ナショナル・レヴュー」『ポンペイ最後の日』評 ブルワーは…偉大な才能をもっていた。…高い教育を受け、その博識をいつでも用いることができた。そうして生みだされた小説から読者は多くのことを学ぶことができるし、また学ばなければならないのだ。…彼は幅広い読書をして、いつも読書から得た知識を読者の利益になるように与えようとしていた。その結果、ブルワーの小説を読めば、娯楽以上のものが得られるのである。――アンソニー・トロロープ 【著者略歴】 エドワード・ブルワー゠リットン(Edward Bulwer-Lytton, 1803-73) イギリスの小説家、詩人、劇作家、政治家。男爵。ケンブリッジ大学卒業。一八三一年より政界で活躍、植民地大臣まで務めた。社交界小説や犯罪小説、歴史小説、ゴシック小説など、多彩な作風の作品で成功を収めた。代表作は『ぺラム』、『ポンペイ最後の日』。ほかに犯罪小説『ポール・クリフォード』『ユージン・アラム』、歴史小説『リエンツィ』、オカルティズム恐怖小説『ザノーニ』『不思議な物語』『幽霊屋敷』などがある。 【訳者略歴】 田中千惠子(たなか・ちえこ) 首都大学東京大学院(現東京都立大学大学院)人文科学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。英文学・表象文化論。大阪大学大学院文学研究科非常勤講師などを務めた。著書に『「フランケンシュタイン」とヘルメス思想̶――自然魔術・崇高・ゴシック』(水声社)、『イギリス・ロマンティシズムの光と影』(共著、音羽書房鶴見書店)、翻訳に『神智学とアジア――西から来た〈東洋〉』(共著、青弓社)などがある。 #
by genkishobou
| 2024-05-16 16:52
| 新刊情報
2024年 04月 09日
装幀は緒方修一さん 石原深予 編 枯草のクッションを敷いた古馬車 尾崎翠全集未収録作品ほか 四六上製 予384頁 本体予価 4800円 ISBN978-4-86488-299-6 C0093 2024年5月下旬刊 私はじき一昨日の夜まで非常に健康でした。何故といえば、此処【ルビ=ここ】の家族は一昨日の夜まで私のことをちっとも病人と思っていなかったからです。 1998年の『定本尾崎翠全集』刊行以後、新たに発見された「書簡集の一部分」(小説“小野町子もの”)をはじめとする書籍初収録作品の集大成。 かつ『全集』ほか従来の解説の誤りを正す解題、最新版の年譜等も収録。 おお、こおろぎ嬢、私は黙って心理医者の研究室を出ました。私の外套には香料なんか振りかけてありません。私の外套には、いちめん枯草の香が滲みこんでいたのです。枯草は私をこの家まで運んできた小さい箱馬車のなかにありました。古ぼけた小型の箱馬車。枯草は箱馬車のクッションです。 ――「書簡集の一部分」より 尾崎翠(おさき・みどり) 明治29年(1896)鳥取県岩美郡に生まれる。鳥取県立鳥取高等女学校卒業後、代用教員をしながら誌紙へ投稿。大正8年(1919)4月、日本女子大学校国文学部入学。『新潮』大正9年1月号に長篇小説「無風帯から」を発表し本格的に文壇へデビューするが、女子大から問題視され退学。昭和6年(1931)『文学党員』および『新興芸術研究』に発表した「第七官界彷徨」で注目されるも、翌7年夏に病を得て9月に帰郷、静養。再び上京することはなかった。昭和8年、東京・啓松堂から『第七官界彷徨』刊行。帰郷後は看病や育児の手伝いなど家庭中心の生活を送り、昭和16年発表の随筆「大田洋子と私」が最後の作品となる。戦後は内職をしながら、亡くなった末妹の遺児を引き取り親代わりとして暮らす。昭和44年、「第七官界彷徨」が「全集 現代文学の発見」第6巻『黒いユーモア』(學藝書林)に収録。昭和46年、肺炎で死去。 編者 石原深予(いしはら・みよ) 1975年、京都府出身。京都府立大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得認定退学。博士(文学)。文学研究者。著書『尾崎翠の詩と病理』(ビイング・ネット・プレス 2015)、『前川佐美雄編集『日本歌人』目次集(戦前期分)』(私家版 2010/増補・修正版 2020)、共著『「日本心霊学会」研究 霊術団体から学術出版への道』(栗田英彦編 人文書院 2022)等。 #
by genkishobou
| 2024-04-09 14:08
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