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ご購入に関するお問い合わせは、メールにて受け付けております。 メール:genki@genki-shobou.co.jp TEL03-5283-3934 幻戯書房刊行の書籍の詳細は小社ホームページをご覧ください。 幻戯書房 (げんきしょぼう)は 歌人で作家の辺見じゅんが、父であり、角川書店の創立者である角川源義の創業の精神を受け継ぎ、設立した出版社です。 ライフログ
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2025年 10月 14日
![]() ![]() 〈ルリユール叢書〉第52回配本 (74冊目)ジョルジュ・シムノン 中村佳子=訳 故ギャレ氏 リバティ・バー 予価:本体価格3,200円+税 予定ページ数:360頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-337-5 C0397 刊行予定:2025年11月下旬 もうずっと前から、この物語の中で、なにかが軋んだ音をあげているとは気づいていた……ああ、無理にわかろうとしないでいい!……物理的な手がかりがいくつもあるのに、それで物事が単純になるどころか、紛糾するなら、手がかりのほうに問題があるのだ…… 作家シムノンが生涯を通じて書き続けた〈メグレ警視シリーズ〉の最初期の傑作二篇を合本。早晩、結実する〈硬い小説(ロマン・デュ―ル)〉を彷彿とさせる舞台で、偏見持ちで情の深いメグレ警視ならではの人間観察が冴える、じっくり味読したい探偵小説が新訳で復活! ……そこに漂う雰囲気、物語の様相、緊迫感、ユーモア、そしてなによりも人の情、憐れな、不運な人々についての理解、とりわけ若者たちについての理解、どれをとってもシムノンほど私の好みにぴったりくる作家はいません。――ジョン・クーパー・ポウイズ 私とシムノンが近しいのは、シムノンもまた、登場人物たちがどういう地形の中で、どういう環境の中で動き回っているのか正確に知ることを必要としているからです。――パトリック・モディアノ シムノンを読むたび強く感じるのは友情だ。人としてのシムノンはあまり好きじゃないが、彼の作品は大好きだ。どの作品を読んでも、友に再会したような気分になる。――ピエール・ルメートル メグレは法を体現する者であり、犯罪人を暴く義務を負ってはいるかもしれないが、けっして裁くことはない。そこに彼の強さがあり、人間らしさがある。メグレは過ちを犯す人々の上にいるのではない。傍らにいる。――フィリップ・クローデル メグレは全編かけて人殺しという幻影を追いかけるかわりに、犯罪者に掛かっているベールを一枚いちまい剥いでいく。知らず知らずのうちに読者は、どうしてもそう振る舞わざるをえなかったその人物の心情を受け入れられるようになっていく。――トマ・ナルスジャック シムノンはとても洗練されています。きわめて簡潔で、それでいて喚起力の高い描写を見事に行う。とても映画的なんです。――パトリス・ルコント 【著者略歴】ジョルジュ・シムノン(Georges Simenon 1903–89) ベルギーのリエージュ生まれ、フランス語圏の作家。十代半ばから地元紙の記者として旺盛な執筆意欲を発揮し、一九二二年にパリへ出て作家活動を始める。複数のペンネームでコント、恋愛小説、冒険小説を量産、また船でフランス国内や近隣国を巡り見聞を広める。1931年より初めて本名名義による〈メグレ警視〉シリーズを刊行、大好評をもって迎えられた。以後、〈メグレ警視〉ものと並行して、『雪は汚れていた』(1948)など緊張感に満ちた長編群〈硬い小説(ロマン・デュール)〉も多数執筆。1955年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)会長を務め、後に巨匠賞も受賞(1966)した。 【訳者略歴】 中村佳子(なかむら・よしこ) 1967年、広島県生まれ。広島大学文学部哲学科卒。訳書にモーパッサン『ベラミ』(角川文庫)、コンスタン『アドルフ』、バルザック『ゴリオ爺さん』(以上、光文社古典新訳文庫)、ウエルベック『ある島の可能性』『闘争領域の拡大』(以上、河出文庫)、マッコルラン『黄色い笑い/悪意』(共訳、国書刊行会)など多数。 #
by genkishobou
| 2025-10-14 10:19
| 新刊情報
2025年 10月 14日
![]() 赤尾光春・原田義也(編) ウクライナ文化の挑戦 激動の時代を越えて 予価:本体価格4,800円+税 予定ページ数:504頁 A5判ISBN978-4-86488-335-1 C1039 刊行予定:2025年11月下旬 復権する「ウクライナ文化」 その実践のダイナミズムを捉え ウクライナの国民意識の核心に迫る! 22名の論者による学際的考察が明かすウクライナ文化の真相 ロシアとヨーロッパのはざまで引き裂かれ、複雑な歴史形成を余儀なくされてきた国ウクライナ――民俗、習慣、言語活動、文学、音楽、芸術の諸領域におよぶウクライナの文化実践の動向を学際的に考察。「ロシア世界」からの解放へと向かうウクライナ文化の最前線を総展望する、本格的なウクライナ文化論集。 キエフ・ルーシの時代に遡り、コサックによるヘチマン国家の台頭を経て歴史的に形成されたウクライナの国民意識は、ポーランド王国とロシア帝国、そしてソ連邦による長年の支配を通じて独立と隷属のはざまで揺れ動き、ソ連崩壊を契機とした独立以降にはロシアとヨーロッパのはざまで引き裂かれてきました。そして、ロシアの侵略という国家存亡の危機を経た今、ウクライナの国民的アイデンティティは様々な文化実践を通して劇的な変貌を遂げつつあります。――「序章」より 【目次】 序 章 (赤尾光春) 第一部 「ロシア世界」との決別 第一章 故郷(ホーム)の境界を拡大する――私たちすべてのための物語(ヴィクトリア・アメーリナ/作家) 第二章 帝国主義、覇権、ロシアのウクライナ侵攻(クセニア・オクサミトナ/国際政治学) 第三章 「どこにもいない国民」を地図化する――「帝国的知」の有害な魔力と脱植民地化の課題(ミコラ・リャブチュク/ウクライナ政治) コラム① ドイツ占領下のウクライナをめぐる日本の報道――一九四一年六月~十月(池田嘉郎/近現代ロシア史研究) 第二部 ウクライナ文化の源流を辿る 第四章 ザスラーウシケィイ公の世界修復論(原真咲/ウクライナ文学) 第五章 ヘチマン国家時代から十九世紀前半におけるウクライナの表象形成と歴史観(大野斉子/ロシア文学・文化) 第六章 言語の禁止に抗して――二つの帝国下におけるウクライナ文化人の連携(イーホル・ダツェンコ/ウクライナ語史・歴史社会言語学) コラム② イワン・コトリャレウシキーの『エネイーダ』――近代ウクライナ文学を切り拓いたパロディ(上村正之/ロシア文学・ウクライナ文学) 第三部 芸術に見るウクライナ精神の系譜 第七章 歌が織りなす共同体――ウクライナの歴史と民謡の力(オリガ・ホメンコ/歴史・文学・文化) 第八章 ウクライナ映画を立体的に見る――オレフ・センツォフとセルゲイ・ロズニツァを軸として(梶山祐治/旧ソ連諸国および中東欧の映画) 第九章 戦時の美術表現――現代ウクライナ作家の軌跡(鴻野わか菜/ロシア東欧美術・文学・文化) コラム③ 精神性の継承――『火の馬』『妖婆 死棺の呪い』『ノスタルジア』(沼野恭子/ロシア文学・文化) 第四部 抵抗としての詩作と笑い――戦時下の文芸と娯楽 第十章 影の劇場――戦時下における詩の読解と翻訳(アメリア・グレイザー/ウクライナ、ロシア、イディッシュ文学) 第十一章 戦争を生き抜くための言葉――二〇二二年二月二十四日以降に書かれた詩をめぐって(原田義也) 第十二章 ロシア・ウクライナ戦争と笑い(赤尾光春) コラム④ ウクライナにおける法令関係データベースの操作性(田上雄大/ウクライナ地域研究・憲法学) 第五部 言語とアイデンティティ――対ロシア戦争とウクライナ「国民」の誕生 第十三章 ロシアによるウクライナ侵攻の言語的背景(池澤匠/スラヴ語学・言語接触・言語表象) 第十四章 言語は戦争と関係があるのか?――ウクライナ東部からの避難民のナラティヴに見る言語とアイデンティティ交渉(ユリヤ・ジャブコ/対照言語学・社会言語学) 第十五章 ウクライナ人とは誰か――侵略を受けて変化するアイデンティティ認識(平野高志/ウクライナ内外政・クリミア問題・ウクライナ語) コラム⑤ ウクライナ・ディアスポラと共に消えた日本人のウクライナ研究(岡部芳彦/日本ウクライナ交流史) [特別寄稿❶] ウクライナについて学ぶ――慶應義塾大学での試み(熊野谷葉子/ロシア民俗学) [特別寄稿❷] 日本の言論空間に「主体としてのウクライナ」を(加藤直樹/東アジアと日本の近現代史) あとがき――「文化」は何に対して挑戦するのか(原田義也) 【編著者略歴】 赤尾光春(あかお・みつはる) 国立民族学博物館特任助教。ウクライナ/ロシア地域研究・ユダヤ文化研究。共編著に『ユダヤ人と自治――中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡』(岩波書店、二〇一七年)、論文に「ロシア語を話すユダヤ人コメディアンVSユダヤ人贔屓の元KGBスパイ」(『現代思想』二〇二二年六月臨時増刊号)、「水面下の代理戦争――ユダヤ・ファクターから見たウクライナとロシアの動向」(『現代思想』二〇一四年七月号)、"A New Phase in Jewish-Ukrainian Relations?: Problems and Perspectives in the Ethno-Politics over the Hasidic Pilgrimage to Uman," East European Jewish Affairs, 37-2(2007)、共訳書に、デル・ニステル/ドヴィド・ベルゲルソン『二匹のけだもの/なけなしの財産 他五篇』(幻戯書房、二〇二二年)他。 原田義也(はらだ・よしなり) 明治大学国際日本学部・大学院国際日本学研究科兼任講師。近現代ウクライナ文学。共編著に『ウクライナを知るための六五章』(明石書店、二〇一八年)、論文に「時代が変える言葉、時代を変える言葉――戦時下のウクライナにおける言語行為の諸相」(『ロシア・東欧研究』第五三号、二〇二四年)、「オレーナ・テリーハはいかにしてウクライナの詩人となったか」(『三田文學』第一五二号、二〇二三年)、「現代のマドンナは何を祈るか――リーナ・コステンコの詩的世界」(『明治大学国際日本学研究』第一〇巻一号、二〇一八年)他。 #
by genkishobou
| 2025-10-14 09:29
| 新刊情報
2025年 09月 09日
![]() 装幀は緒方修一さん 前田恭二 編 耽美・悪食・へらず口 水島爾保布コラム・創作選 四六判上製・288ページ 本体3300円 予価 978-4-86488-334-4 C0095 あちらでは画、こちらでは文、おいきたよしで、やっつけた 日本のビアズリーと称され、谷崎潤一郎『人魚の嘆き・魔術師』の挿絵で名を馳せた画家。 大逆事件当時と関東大震災直後の二度、発禁を食らうも、政府を嘲弄し、世相を皮肉った文筆家。 その目が確(しか)と捉えた震災時の流言と暴力、2.26事件時の関西市井の反応、歯に衣着せぬ帝国美術院展覧会評、そして、生まれ育った東京下町の風景、のぞきからくりに田舎芝居、文楽に歌舞伎役者、はてはライオンの味まで……自称「ヨタ原稿」の絢爛。 図版約50点 購読者特典あり。詳細は確定次第、改めてお知らせします。 【著者略歴】 水島爾保布(みずしま におう) 1884(明治17)年12月8日、旧佐倉藩士で文部省編輯局に出仕していた水島慎次郎の長男に生まれる。出生はおそらく神田。幼少期に下谷区根岸に移り、以来家郷とする。 1901(明治34)年、東京美術学校日本画撰科入学。学業の傍ら歌誌「莫告藻」に参加。文芸誌「白百合」でも詩や歌劇を発表。 1905(明治38)年、日露戦争で兵役に就き、この年、傷病兵として帰還。秋、日本絵葉書展覧会で、藤島武二らとともに一等賞金牌。 1908(明治41)年、東京美術学校卒業。 1910(明治43)年2月、山本露葉ら根岸の文学仲間と「新文芸」創刊。五月発行の第四号は水島の創作「破壊の前」が咎められ発禁処分。七月、長男・太郎(今日泊亜蘭)出生。 1912(明治45・大正元)年5月、露葉らと文芸誌「モザイク」創刊。武林無想庵が参加し、悪友に。東京美術学校の同窓生らと「行樹社」を結成、11月、第1回展。 1915(大正4)年春、大阪朝日新聞社に入社。上司は長谷川如是閑。画文両道で、絵入りの紀行や文化記事を執筆。大阪時代には文楽に親しみ、悪食体験を得る。 1919(大正8)年5月、東京日日新聞に入社。8月、谷崎潤一郎と組み、挿絵本『人魚の嘆き・魔術師』を出版。秋、児童文学雑誌「赤い鳥」へ寄稿開始 1920(大正9)年1月、如是閑らの雑誌「我等」で連載コラム「根岸より」開始、評判を呼んで雑誌の仕事が急増。3月、画文集『東海道五十三次 附瀬戸内海』出版。秋、第二回帝国美術院美術展覧会に「阿修羅のをどり」を出品し、官展初入選。 1921(大正10)年夏、東京日日退社。この頃から東京漫画会に参加。 1923(大正12)年5月、文集『愚談』出版。関東大震災に遭遇、日本漫画会『大震災画集』の出版を主導。 1924(大正13)年4月出版の『新東京繁昌記』が発禁処分。震災後の混乱を記した「愚満大人見聞録」を削除し、6月に改訂版。同時期に文集『痴語』出版。 1925(大正14)年秋、第六回帝展で「弥次喜多」入選。 1929(昭和4)年8月、「現代ユウモア全集」の一冊として『見物左衛門』出版。 1943(昭和18)年5月、日本漫画奉公会評議員に。 1945(昭和20)年8月、新潟県燕町で終戦を迎える。 1948(昭和23)年秋、燕から長岡市へ転居。新潟では地元人士のために多数揮毫。 1950(昭和25)年1月、『絵本西遊記』出版(文・弓館芳夫)。 1956(昭和31)年、「最新科学小説全集」三冊の挿絵などを担当。 1958(昭和33)年12月30日、長岡で死去。 【編者略歴】 前田恭二(まえだ きょうじ 1964― ) 山口県生まれ。東京大学文学部美術史学科卒。読売新聞記者を経て武蔵野美術大学教授。 単著として『やさしく読み解く日本絵画 雪舟から広重まで』新潮社 とんぼの本 2003)、『絵のように 明治文学と美術』(白水社 2014 第65回芸術選奨文部科学大臣新人賞・評論その他部門)、『関東大震災と流言 水島爾保布 発禁版体験記を読む』(岩波書店 岩波ブックレット 2023)、『文画双絶 畸人水島爾保布の生涯』(白水社 2024)。ほか、谷崎潤一郎作、水島爾保布挿絵『人魚の嘆き・魔術師』(春陽堂書店 1919/復刻版 2020)の復刻版への解説、編著として「統制百馬鹿 水島爾保布 戦中毒舌集』(岩波書店 2025)。 #
by genkishobou
| 2025-09-09 17:36
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2025年 09月 09日
![]() ![]() 〈ルリユール叢書〉第51回配本 (73冊目) エミール・ゾラ、ギ・ド・モーパッサン、J・K・ユイスマンス 他 足立和彦・安達孝信=訳 メダンの夕べ 戦争と女たち 予価:本体価格3,900円+税 予定ページ数:432頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-333-7 C0397 刊行予定:2025年10月下旬 プロイセンとの戦争が勃発した。本当のところ、どうして兵士の大殺戮(だいさつりく)が必要なのか分からなかった。他人を殺す必要も、他人に殺される必要も感じていなかった。 戦場、野戦病院、兵舎、総司令部などにおける「現実」を直視し、戦時下の軍人や女たちの生を鮮明に描き出すことによって、戦争美化の言説に抗議の声をあげる――パリ郊外のメダンにあるゾラ宅に集った、モーパッサン、ユイスマンスら6人のフランス自然主義作家が普仏戦争(1870-71)を記録、諷刺した短編小説集。本邦初完訳。 とても個人的、多様性に富み、自由に着想、執筆されているこれらの小説は、すべて一八七〇年の戦争に関わっており、形や大きさが異なる真珠が深紅の糸でつながっている首飾りのようだ。 ――テオドール・ド・バンヴィル 六人の自然主義作家という反対派がいる。短編集『メダンの夕べ』の出版によって、インク壺の極左集団が正式に結成された。 ――ジャン・リシュパン さて君に言うのが遅れてしまったけれど、「脂肪の塊」は傑作だと思う! そうだ! 青年よ! それ以上でもそれ以下でもなく、これは大家の手になるものだ。よく理解された構想と優れた文体を持ち、とてもオリジナルだ。風景や人物は目に見えるようで、心理は力強い。つまり私は魅了された。二度か三度は大声で笑ったよ。 ――ギュスターヴ・フローベール 「背嚢を背負って」は恐らく『メダンの夕べ』のなかで最も真に痛ましく、人間的事象について最も軽蔑的な理念を内包した物語である。 ――ジュール・ルメートル 【目次】 序文 水車小屋の攻防 エミール・ゾラ 脂肪の塊 ギ・ド・モーパッサン 背囊を背負って ジョリス゠カルル・ユイスマンス 瀉血 アンリ・セアール 大七事件 レオン・エニック 戦闘のあと ポール・アレクシ 補遺一 (五十周年記念の再刊に寄せた)レオン・エニックによる序文 補遺二 メダンの夕べ―どのようにしてこの書が作られたか 註 『メダンの夕べ』年譜 訳者解題 【著者略歴】エミール・ゾラ(Émile Zola 1840–1902) 1840年、パリ生まれ。書店勤務のかたわら執筆を行い、『テレーズ・ラカン』(1867)などを発表。科学と合理主義に基づく姿勢を「自然主義」と呼び、運動を主導した。『ルーゴン゠マッカール叢書』を構想し、『居酒屋』(1877)、『ナナ』(1880)で成功を収める。ほかに『ボヌール・デ・ダム百貨店』(1883)、『ジェルミナール』(1885)、『獣人』(1890)など。全二十巻の叢書完成後、連作『三都市』、『四福音書』の執筆を続けた。晩年にドレフュス事件に介入し、アルフレッド・ドレフュス復権に貢献した。 ギ・ド・モーパッサン(Guy de Maupassant 1850–93) 1850年、ノルマンディー地方のトゥールヴィル゠シュル゠アルクに生まれる。役所に勤めながらフローベールの指導のもとに研鑽を積み、1880年に短編「脂肪の塊」で成功を収める。以後、勢力的に活動して多数の中短編を発表、農民や小市民の生態を諷刺的に描いた。短編集に『テリエ館』(1881)、『ミス・ハリエット』(1884)など。長編に『女の一生』(1883)、『ベラミ』(1885)、『モン゠オリオル』(1887)、『ピエールとジャン』(1888)など。『水の上』(1888)などの旅行記も残している。 ジョリス゠カルル・ユイスマンス(Joris-Karl Huysmans 1848–1907) 1848年、パリ生まれ。ボードレールの影響の濃い散文詩集『薬味箱』発表ののち、ゾラの自然主義に傾倒。『マルト』(1876)、『流れのままに』(1882)などを発表する。デカダンスの美学を謳う『さかしま』(1884)で転機を迎え、以後、自然主義から離反してゆく。『彼方』(1891)、『出発』(1895)、『大伽藍』(1898)などにおいて神秘主義や回心のテーマを追求し、自身もカトリックに転向した。絵画批評にも秀で、『現代芸術』(1883)、『ある者たち』(1889)などの評論がある。 アンリ・セアール(Henry Céard 1851–1924) 1851年、ベルシーに生まれる。ゾラに感銘を受けて親交を結んだ。『メダンの夕べ』(1880)参加ののち、自然主義の理念を追求した『美しい一日』(1881)を発表。小説家としては寡作な一方、ジャーナリストとして活動し、演劇にも関心を寄せた。戯曲に『諦めた人たち』(1889)など。1906年に長編『海辺の売地』を発表。1918年よりアカデミー・ゴンクール会員。 レオン・エニック(Léon Hennique 1850–1935) 1850年、グアドループのバス゠テールに誕生。ゾラを敬愛し、『献身的な女』(1878)、『エベール氏の災難』(1884)などの自然主義小説を発表。のちに『プフ』(1887)、『ある性格』(1889)でより自由な作風を見せた。戯曲に『エステル・ブランデス』(1887)、『アンギャン公の死』(1888)。1900年よりアカデミー・ゴンクール会員(1907‐12年に会長)。 ポール・アレクシ(Paul Alexis 1847–1901) 1847年、エクス゠アン゠プロヴァンス生まれ。文学を志してパリに上京、以後、ゾラの親友として自然主義の普及に努める。短編集に『リュシー・ペルグランの最期』(1880)、『愛への欲求』(1885)など、長編に『ムリヨ夫人』(1890)。ジャーナリストとして精力的に活動し、多数の新聞・雑誌に寄稿したほか、アントワーヌの「自由劇場」立ち上げに貢献した。 【訳者略歴】 足立和彦(あだち・かずひこ)1976年、京都府生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学、パリ第四大学博士課程修了。現在、名城大学法学部教授。専門はフランス十九世紀文学、とくにモーパッサン。著書に『モーパッサンの修業時代――作家が誕生するとき』(水声社)など。翻訳にアラン・パジェス『フランス自然主義文学』(白水社、文庫クセジュ)、アンリ・トロワイヤ『モーパッサン伝』(水声社)など。 安達孝信(あだち・たかのぶ) 1990年、石川県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学、パリ第三大学博士課程修了。現在、名城大学外国語学部准教授。専門はフランス十九世紀文学、とくにゾラ、ユイスマンス。共訳書にミシェル・ウエルベック『ウエルベック発言集』(白水社)など。 #
by genkishobou
| 2025-09-09 17:16
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2025年 09月 09日
![]() ![]() 〈ルリユール叢書〉第50回配本 (72冊目) スティーン・スティーンセン・ブリカー 高藤直樹=訳 >ヴァイルビューの牧師 他六篇 本体価格3,200円+税 定価3,520円 ページ数:320頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-332-0 C0397 刊行予定:2025年9月下旬 私は二十年間というもの、自分がこの世の楽園に居ると信じ込み、足元で密かに燃え盛る火山の上を彷徨っていた。──天国と地獄とを分ける危うい地殻の上を。それが今崩れ、私は燃え上がる深い裂け目の中へ沈んだのだ。 デンマーク辺境の荒地を描いてアンデルセンやキェルケゴールを魅了し、19世紀前半の〈デンマーク黄金時代〉に詩的リアリズム文学を大成したスティーン・スティーンセン・ブリカー。表題作はじめ『ある教会書記の日記』など、人間の避けられぬ悲運や孤独を描いた全7篇の傑作短編集。 (ブリカーの)全世界を破砕してしまう唯一の三段論法。――セーレン・キェルケゴール さあ(ブリカーを)お読みください。その自然描写、人間描写、洞察や感情を捉え表現する驚くべき確かさ、台詞の並外れた自然さ、物語を構築する巨匠的な巧みさ、生き生きとした多様性に感嘆してください。――さてさて、その全てを私が語るべきではありません。それらはお読みになるうちに、あなた方ご自身が感じ取られることでしょう。――カイ・モンク 十九世紀の前半はデンマーク文学における転換期であり、小説や短編小説が文学的関心の中で高い地位を獲得し始め、さらには文学的枠組みの中で支配的になり始める時代である。この転換期における偉大な人物がH・C・アンデルセン、セーレン・キェルケゴール、そしてスティーン・スティーンセン・ブリカーである。――セーアン・バゲセン 【著者略歴】 スティーン・スティーンセン・ブリカー(Steen Steensen Blicher 1782–1848) 19世紀前半のデンマークを代表する短編小説作家、詩人。中部ユトランドのヴィーオムに生まれ、コペンハーゲン大学神学部に学ぶ。詩人としても知られるが、その本領は短編小説にあり『ある教会書記の日記』や『ヴァイルビューの牧師』などが名高い。ユトランド方言を基礎とする独自の文体によりユトランド文学を確立、その哀調と悲劇性に富んだ作品は童話作家H・C・アンデルセンや哲学者セーレン・キェルケゴールらに愛読された。現代に至るまで多くの読者に親しまれ、広汎な影響力を維持している。 【訳者略歴】 高藤直樹(たかふじ・なおき) 1951年、浜松市生まれ。東京外国語大学および同大学院修士課程修了。デンマーク政府奨学金留学生としてコペンハーゲン大学組織神学研究所セーレン・キェルケゴール研究室留学。著書に『キェルケゴール思想へのいざない――エロス、理性、聖性の音楽家としての』(ビネバル出版)、訳書にヴィゴー・ショークヴィスト『コンスタンツェ・モーツァルトの結婚』(音楽之友社)、ダイアナ・バーグウィン『ザルツブルク町の肖像』(草思社)、ヘリエ・サイゼリン・ヤコブセン『デンマークの歴史』(ビネバル出版)などがある。 #
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