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ご購入に関するお問い合わせは、メールにて受け付けております。 メール:genki@genki-shobou.co.jp TEL03-5283-3934 幻戯書房刊行の書籍の詳細は小社ホームページをご覧ください。 幻戯書房 (げんきしょぼう)は 歌人で作家の辺見じゅんが、父であり、角川書店の創立者である角川源義の創業の精神を受け継ぎ、設立した出版社です。 ライフログ
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2024年 04月 09日
廣田大地・中野芳彦・五味田泰・山口孝行・森田俊吾・中山慎太郎=著 抒情の変容 フランス近現代詩の展望 予価:本体価格4,300円+税 予定ページ数:360頁 四六上製 ISBN978-4-86488-298-9 C0098 刊行予定:2024年5月下旬 時代を越えて浮かび上がる抒情の多面性 ボードレール、バンヴィル、ユゴー、ルヴェルディ、フォラン、レダ、エマーズら19世紀から21世紀までのフランス近現代詩をめぐり、「抒情詩(poésie lyrique)」「抒情性(lyrisme)」「抒情主体(sujet lyrique)」の三つの詩学概念を問う、フランス文学研究者6名の論考がひびきあうフランス抒情詩論集。 本書の特徴のひとつとして挙げることができるのは、まさに横断性である。各論考はそれぞれ独立している一方、多くの場合、掲載された他の論考と対話の場をひらき、共鳴しあっている。例えば、ボードレール(廣田)、ユゴー(中野)、バンヴィル(五味田)の論考は、それぞれの詩人の詩学を明らかにする一方で、三つの論考を相関的に見ると、十九世紀における抒情のあり方を立体的に捉えることができるだろうし、バンヴィルとレダ(中山)は、古代から「抒情」という概念に密接にかかわってきた詩と音楽との関係において、時代を超えて響き合うだろう。また、フォラン(森田)とレダは、抒情詩における「叙事性」という意味で共通の意思を持っているし、ルヴェルディ、エマーズ(山口)の「リリスム」概念は、世界内における主体のあり方において、レダやフォランと問題を共有するだろう。(中山慎太郎「あとがき」より) 【著者略歴】 廣田大地(ひろた・だいち) 大阪大学人文学研究科フランス文学専攻博士課程単位取得満期退学、新ソルボンヌ゠パリ第三大学博士課程修了、博士(文学)。現在、神戸大学准教授。共編著に『象徴主義と〈風景〉――ボードレールからプルーストまで』(水声社、2018年)、主な論文に「La poétique de la fenêtre chez Baudelaire(ボードレールにおける窓の詩学)」(2011年)、「La transgression du discours lyrique chez Baudelaire(ボードレールにおける抒情詩的ディスコースの侵犯)」(2011年)、「後期ボードレール散文詩における抒情性――「気前の良い賭博師」を例に」(2020年)などがある。 中野芳彦(なかの・よしひこ) 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学、パリ第七大学博士課程修了、博士(文学)。現在、慶應義塾大学商学部准教授。専門はフランス近代詩、特にヴィクトル・ユゴー。訳書にミシェル・ビュトール『レペルトワールII[1964]』(共訳、幻戯書房、2021年)、『レペルトワールIII[1968]』(共訳、幻戯書房、2023年)などがある。 五味田泰(ごみた・たい) 慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学、リヨン第二大学博士課程修了。博士(文学)。現在、北星学園大学文学部准教授。訳書に『感情の歴史II』(藤原書店、2020年)、『フランス文学史』(慶應義塾大学出版、2016年、ヴァンサン・ブランクール「ロマン主義の演劇」担当)など、論文に、「テオドール・ド・バンヴィルにおける詩的シャンソンの実践」(2020年)、「テオドール・ド・バンヴィル『キュプリスの呪い』に見る現代的「ポエム」の試み」(2022年)などがある。 山口孝行(やまぐち・たかゆき) 新ソルボンヌ゠パリ第三大学マステールII修了。筑波大学博士一貫課程修了。博士(文学)。現在、ECC国際外語専門学校専任講師、大阪公立大学客員研究員、神戸大学非常勤講師。主な著書に『ピエール・ルヴェルディとあわいの詩学』(水声社、2021年)、訳書に『魂の不滅なる白い砂漠』(共訳、幻戯書房、2021年)、論文に「アンドレ・デュブーシェの手帖と詩作品:創作現場で捉えられるポエジー」(『フランス語フランス文学研究』一二二号、2023年)などがある。 森田俊吾(もりた・しゅんご) 東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻満期退学、新ソルボンヌ゠パリ第三大学博士課程修了。博士(フランス文学・文明)。現在、奈良女子大学専任講師。2013年よりフランス現代詩研究会を運営。共訳書にロラン・バルト『バルザックの『サラジーヌ』について』(水声社、2022年)。主な論文に« L’invention du Sprung rhythm »(『フランス語フランス文学研究』一二〇号、2022年)、« Henri Meschonnic et langues étrangères », Zum Rhytumuskonzept von Henri Meschonnic in Sprache und Translation (Olms Georg Verlag, 2021) などがある。 中山慎太郎(なかやま・しんたろう) 学習院大学人文科学研究科フランス文学専攻博士後期課程単位取得退学、リヨン第二大学博士課程修了。博士(文学芸術)。現在、跡見学園女子大学専任講師。主な訳書にイト・ナガ『私は知っている』(水声社、2019年)、『クローデル小喜劇集』(共訳、水声社、2019年)など、主な論文に「現代詩と写真――ジャック・レダ『パリの廃墟』における「写真」」(2018年)、「フランス現代詩とマラルメ――マラルメ詩学を「変質」させるジャック・デュパン」(2020年)、「死者に捧げる詩の言葉――フィリップ・ジャコテの場合」(2021年)などがある。 【目次】 序文(廣田大地) 序章 抒情詩、抒情性、抒情主体――各概念の成立について(廣田大地) 第一章 ボードレール『悪の花』における抒情主体――あらたなディスクール構造へ(廣田大地) 第二章 未完を名指す詩――ヴィクトル・ユゴーの抒情性(中野芳彦) 第三章 十九世紀抒情詩と「詩は音楽のように(Ut musica poesis)」――民謡から詩的シャンソン、そして独自の抒情詩句へ(五味田泰) 第四章 ピエール・ルヴェルディからアントワーヌ・エマーズへ――あるリリスムの系譜(山口孝行) 第五章 フランス現代詩における抒情詩と叙事詩の交叉点――ジャン・フォランの詩をめぐって(森田俊吾) 第六章 スウィングする主体――ジャック・レダの詩学における詩とジャズ(中山慎太郎) あとがき(中山慎太郎) #
by genkishobou
| 2024-04-09 14:00
| 新刊情報
2024年 03月 14日
詩集『おしらこさま綺聞』のみちゆき このたび、新詩集『おしらこさま綺聞』を幻戯書房より上梓しました。 この本は、東北弁や北関東弁を思わせるような、ちょっとふしぎなことばで綴られています。かねてよりわたしは、いわゆる「日本語」という近代言語の外側にある文体や声に興味をもち、そのリズムや制度で捉え切れない事象を、土地ことば的なセンスで掘り下げられないかと探ってきました。 いちばん最初に書いたのは、長篇詩「足だぢ」でした。まるで青天の霹靂のようにやって来たこの詩によって、本書の道は開かれました。じつは前詩集の刊行後、つぎにどんな試みをしたらいいか、わたしの心はさまよっていました。そんな2014年夏、津軽弁の巫女、桜庭スエによる『お岩木様一代記』(竹内長雄採録、坂口昌明編、津軽書房、2010年)に夢中になりました。当地出身の工藤正廣によるその音読も、くり返し聞いていました。 同じ時、学生時代に通った岩手県宮古市を再訪し、図書館の郷土史コーナーで「蛸と大根」という昔話を見つけました。それから自宅に戻り、津軽弁録音を聞きながら昔話のコピーを眺めていると、これが「日本語」で書かれてあるのが残念な気がしてきました。土地の響きで書き直してみようと思い付いたのです。言うなれば、ふとしたはずみでした。 ところが、ノートに綴りはじめると、旅の者である語り手が、情景を口説き下ろす設定がおのずと立ち上がり、土のにおいがするリズムにのって、内容が脱線をかさねていきました。鉛筆が勝手に走ったようでした。そして、いつのまにか、原作から遠くへ跳躍した「詩」と言っていいテキストができていました。 けれども、実力とは言えません。稀に、このような霹靂が降ってくるのが、詩作の無上の魅力ではありますが、それは不意に出現しただけで、二作目が同じように書けるわけがありません。わたしの東北弁の素養は、たった一作の「お岩木様一代記」きりだったのですから。 そんな折、岩手県大船渡市の仮設住宅集会室でことばの催しを立ち上げました。震災被災地で何かしたいという漠然とした思いからはじまったものでしたが、会場に主に集まってくださったのは、ご年輩のおばあさんたち、おんばたち。東北弁を学びたい思いも一方にありましたから、絶好の師匠たちとの巡り合いとなりました。お知恵を借りて啄木短歌を気仙弁の声に訳す企画を固め、成果として編著の本『東北おんば訳 石川啄木のうた』(未來社、2017年)を出版し、映画の企画制作でも通いました。 そうこうするうち、桐生生まれのわたしのからだに、東北弁が入ってくるようになりました。「足だぢ」をひとりぼっちにすることなく、その深い濁音を核にした詩がしだいになんとか綴れるようになってきました。 けれど、おんばのような生粋のことばではありません。暮らしの場所としてそこを捉えるすべもありません。養うことができたのは、気仙弁とも桐生弁とも津軽弁とも言えない、それらの雑種、クレオールであるような地べたを這う響きの文体。そんな未知なる声と抑揚が、まるでふしぎなカメラのレンズのようにどこかへ導いてくれたような……。 ささやかな挑戦ですが、お手にとっていただけたら幸いです。 2024年3月 新井高子 #
by genkishobou
| 2024-03-14 11:45
| 新刊情報
2024年 03月 14日
〈ルリユール叢書〉第39回配本 (53冊目) ドヴィド・ベルゲルソン/デル・ニステル 田中壮泰・赤尾光春=訳 二匹のけだもの/なけなしの財産 他五篇 予価:本体価格3,600円+税 予定ページ数:400頁 四六変形・ソフト上製 ISBN978-4-86488-297-2 C0397 刊行予定:2024年4月下旬 東欧ユダヤ文化の「生き証人」としてポグロム(虐殺)と亡命の記憶を活写した、ドヴィド・ベルゲルソン。「隠遁者」の筆名でスターリニズムのテロルを予感させる幻想的な作品を発表した、デル・ニステル。スターリン時代に粛清されたイディッシュ文学の代表作家二人の傑作短編集。 イディッシュとは:中欧、東欧系のユダヤ人が用いてきた言語。イディッシュYiddishは「ユダヤ語」の意。筆記の際にはヘブライ文字で表記する。居住地の言語が訛って生まれたユダヤ諸語のうちで、もっとも重要な位置を占める。10世紀ないし11世紀の上部、中部ドイツ諸方言を基礎とするが、それにヘブライ語、アラム語などの語彙が流入し、さらに14世紀中葉以降はスラブ圏の言語(とくにポーランド語)の強い影響を受けて、独自の発展を遂げた。今日ではドイツ語の近接語とみなされている。使用人口は、一時、1000万以上にも上ったが、現在では激減した。しかしなおイスラエル、ロシア、南北アメリカを中心に、世界各地のユダヤ共同体で用いられている(『日本大百科全書(ニッポニカ)』)。 ポグロムとは:集団的で計画的な迫害・虐殺。特に19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ロシアを中心に行われたユダヤ人の虐殺をいう(『デジタル大辞泉』)。 ベルゲルソンを構成しているのは、ひとつの悲劇だ。それは私たちの狂った時代が生んだ悲劇だ。ベルゲルソンの優れた仕事は、これからもユダヤ文学の中に残り続けるだろう。ベルゲルソンの悪しき仕事は、ひとがその悪に屈することがなければ、ひとつの教訓として役立つだろう。――アイザック・バシェヴィス・シンガー 典型的で一般的なものから個人的で私的なものへと至る、イディッシュ文学の変遷を知りたい読者は、ベルゲルソンの物語に目を向けてみるとよい。そこには解き明かされるのを待ち構えている広大な宇宙がある。ベルゲルソンはイディッシュ文学に新しい道を拓き、それを現代にもたらした。――アハロン・アッペルフェルド 全世界の作家たちにデル・ニステルの作品を読む機会が与えられたら、筆を折ることだろう。――イェヘズクル・ドブルーシン デル・ニステル(「隠遁者」、ピンヘス・カハノヴィッチ(1884-1950)のペンネーム)は近代イディッシュ文学における最も謎めいた人物であった。予期せぬ紆余曲折に満ちた波乱万丈な人生において、彼は、神秘主義・象徴主義的な物語からリアリズム的な歴史小説の書き手へと、正体不明で不可解な芸術家から公的な活動家へと変貌を遂げた。スターリン体制の圧政下を生きた彼は、作家の使命とは人びとの証人になることだと信じるようになった。デル・ニステルの象徴主義の遺産はイディッシュ文学の研究者に評価されるようになって久しいが、ソヴィエト期の作品の豊饒さと複雑さが広く発見され、評価されるようになったのは、最近になってからのことである。――ミハイル・クルティコフ 【著者略歴】 ドヴィド・ベルゲルソン(Dovid Bergelson 1884–1952) ロシア領ウクライナのオフリモーヴォ生まれ。キエフでイディッシュ語作家としてデビューし、1913年に発表した長編『すべての終わり』で一躍文壇の寵児となる。ロシア革命後の内戦時代にウクライナを去り、ベルリンに移住。ベルリン滞在は十年以上にも及び、その間、ウクライナのポグロムを主題とした小説を数多く発表した。1934年ソ連に帰還し、1949年に他のイディッシュ文化人らと共に逮捕され、1952年に銃殺される。 デル・ニステル(Der Nister 1885–1950) ロシア領ウクライナのベルディーチェフ生まれ。本名はピンヘス・カハノヴィッチ(筆名は「隠遁者」の意)。象徴主義の影響を受け、神秘主義やフォークロアを題材とする幻想的な物語を書く。キエフの「文化同盟」に関わった後、ベルリン滞在を経てソ連に帰還。一九二九年に刊行した作品集が批判されて一時沈黙したが、ユダヤ人一家の没落を描いた『マシュベル家』で金字塔を打ち立てた。戦後、イディッシュ文化人の弾圧により逮捕、獄死。 【訳者略歴】 田中壮泰(たなか・もりやす) 1980年、大阪生まれ。立命館大学先端総合学術研究科修了(学術博士)。龍谷大学、東海大学非常勤講師。専門はポーランド文学、イディッシュ文学、比較文学。論文に「イディッシュ語で書かれたウクライナ文学――ドヴィド・ベルゲルソンとポグロム以後の経験」(「スラヴ学論集」25号)、共訳にキャロル・ギリガン『抵抗への参加――フェミニストのケアの倫理』(晃洋書房)、ヤヌシュ・コルチャク『ゲットー日記』(みすず書房)など。 赤尾光春(あかお・みつはる) 1972年、横浜生まれ。総合研究大学院大学博士後期課程修了(学術博士)。国立民族学博物館特任助教。専門はユダヤ文化研究、ロシア・ウクライナ地域研究。共編著に『ユダヤ人と自治――中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡』(岩波書店)、『シオニズムの解剖――現代ユダヤ世界におけるディアスポラとイスラエルの相克』、共訳に『ディブック/ブルグント公女イヴォナ』(未知谷)、『トレブリンカの地獄――ワシーリー・グロスマン前期作品集』(みすず書房)など。 #
by genkishobou
| 2024-03-14 09:09
| 新刊情報
2024年 02月 15日
菅井千佐子
白木蓮咲く 東日本大震災と原発事故と 四六上製 202頁 本体1500円 ISBN978-4-86488-296-5 C0095 3・11から13年。現地の生活者の視点で、短歌とともに振り返る日々。福島原発から60キロメートル離れていても、忍び寄る不安な日々。 夫の死別し、夫が描いた絵「白木蓮咲く」への慈しみ。 (本文より) 青天の霹靂だった。福島県人の生活環境が大きく変わった。2011年3月11日、石川町まちでは震度5強の揺れがありました。この地震はマグニチュード9で東北の太平洋沿岸に大きな津波を引き起こした。そして、津波は福島第一原発を襲った。原子炉は制御不可能となり、水素爆発が起きた。メルトダウンもした。その結果、放射能が漏れ出て各地に飛び散るようになった。 原発事故の起きた大熊町からは60キロメートル離れた、ここ石川町では「念のため、戸や窓を閉め換気扇を回さないようにしてください。外出はなるべく避け、外出をするときはマスクをしてください」と町内放送で呼びかけていた。ラジオやテレビは連日、原発事故の経過を報じていた。 (「あとがき」より) 出会い。 この偶然の軌跡によって、私は大きな道標を持つことができた。その一つ目は、夫との出会いでした。40年にわたる長い時間の中で、三人の子どもを授かり、お互いに少しずつ積み重ねてきた日常において、お互いを思いやる気持ちが培われてきた。その夫が昨年の10月2日にこの世を去った。その夫の死が認められなくて、それなら、夫の描いた絵を形として残したいと思った。 雪の道ラッセルしつつ行く夫の付けし足跡に重ねて歩く #
by genkishobou
| 2024-02-15 10:14
| 新刊情報
2024年 02月 14日
森川慎也 40歳から凡人として生きるための文学入門 予価:本体価格2,400円+税 予定ページ数:196頁 四六並製 ISBN978-4-86488-295-8 C0098 刊行予定:2024年3月下旬 40歳になっても 凡人のままだった すべての大人に捧ぐ 「こんなはずじゃなかった」「本気出すタイミングが」 「何者にもなれていない」……そりゃおおいに結構! 凡人を自負する文学研究者による、屈託ない凡人の生活と意見。 凡人だからこそ滋味深い文学の、人生を生きるための知恵が あなたを待っている。 四十代になって私が日々思うのは、人間というのはつくづく無意味な存在だということである。私はそう思っているし、多くの読者の方もそう思っているのではないかと感じる。でも人間の存在が無意味だからといって、それで安心立命に生きられるのかというと、生きられない。人間はその無意味さに耐えられないからである。自分たちの存在が、自分たちの人生が無意味だと思うことに耐えられない。耐えられないから、生きることは意味を作り出すことになっていく。でも、意味を作り出すというのはじつは容易ではない。 そこで、文学を手がかりに凡人の人生にどのような意味を付与できるのかを考えよう、というのが本書のねらいである。(「まえがき」より) 目次 まえがき 1 私という凡人 について この世は生きにくい―凡人であればあるほど/凡人は「影響力が皆無のまま一生を終える人」のこと⁈/凡人への一歩は四十歳を過ぎてから/凡人であることを受け入れる覚悟/私という「ブレない凡人」/両極端な両親(ともに凡人)/「分相応に生きろ」―凡人主義者の母/「凡人こそ努力すべき」―努力主義者の父/意地で英語の本を読み続けた青年時代/凡庸さの厚みが増していく―四十代、凡人の目覚め/老いたらみな凡人 2 カズオ・イシグロの面白さ―凡人だから分かること カズオ・イシグロの作品から凡人について考える/イシグロの非凡な経歴/非凡人を凡人に格下げするイシグロの小説/「ささやかな満足感」―『生きる LIVING』のメッセ―ジ/いじわるなイシグロ/イシグロの作品の理屈/他者の評価よりも自分の満足感を―凡人へのメッセ―ジ/なぜイシグロの文学に惹かれるのか―『浮世の画家』を読んで/イシグロの超越的視座/変わり続ける時代の趨勢/浮世の世界は乗り越えられるか/イシグロのパラドックス/超越志向を避ける態度―凡人へのメッセ―ジ 3 読書感想文―凡人だからこそ本を読んで考える 山本七平『日本人の人生観』を読んで思うこと/ジェ―ン・E・ハリソン『古代芸術と祭式』から芸術のことを考える/イアン・マキュ―アン『土曜日』は気に入らない 4 平凡な読者のための文学の読み方 文学の授業はなぜつまらないのか/文学を文学の言葉で教えることはむずかしい/自分の書いた論文を学生に読ませてみる/文学を語る言葉について/凡人の不幸―非凡な著作を読んでも非凡になれない/凡人の生き方は凡人から学ぶしかない/ソポクレスの『オイディプス王』―凡人にはこう読める/モ―ム『人間のしがらみ』―凡人のためになる小説/凡人に分かる人生の無意味さこそ文学の入り口 5 平凡な文学研究者のメモ書き 研究テ―マは発酵するのを待つ/問いを立てるとはどういうことか―他人の問い、自分の問い/文学とは? 文学を読むとはどういうことか? 6 文化と凡人―文化、文学、人生と意味付与の関係を考察する 文化とは何か/神、言葉、文化―人間の意味付与が生み出したもの/戦争―無意味な人間同士の無意味な争い/文化は普遍でなく、個別のものである/「言葉ありき」でなく「意味はない」から文化は始まる/人文学―超越的な意味付与でできた学問/文学は人間を映す鏡である/意味と無意味―文化、文学の基底にある二つの命題/個人の感情と想像力/文学研究の意義―作者と読者のコミュニケ―ションを記述する/意味付与の相対化―異なる文化を旅すること/人生と意味付与―E・D・クレムケの場合/人生の意味付けは個人の領分である/開き直りこそ凡人の生き方の極意 あとがき 【著者略歴】森川慎也(もりかわ・しんや)1976年、姫路市生まれ。姫路獨協大学外国語学部英語学科卒業。同大学院言語教育研究科言語教育専攻修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻修士課程修了。同博士課程修了、博士(学術)。北海学園大学人文学部教授。共編著に『カズオ・イシグロの視線――記憶・想像・郷愁』(作品社)、Japanese Perspectives on Kazuo Ishiguro(Palgrave Macmillan)がある。 #
by genkishobou
| 2024-02-14 11:44
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